◎リシチャンスクは先月陥落した同州セベロドネツクの対岸に位置する都市であり、同州内におけるウクライナ軍の最後の拠点とされる。
ロシアの国営メディアは2日、ロシア軍がウクライナ東部ルハンシク州のリシチャンスクを制圧したと報じた。
リシチャンスクは先月陥落した同州セベロドネツクの対岸に位置する都市であり、同州内におけるウクライナ軍の最後の拠点とされる。
ウクライナ政府はロシアの報道を否定し、「兵士たちはロシア軍の猛攻を受けながらもリシチャンスクを防衛している」と説明した。
ルハンシク州の分離主義国家であるルガンスク人民共和国メディアは、分離主義者またはロシア兵とみられる部隊がリシチャンスク市内をパレードしているように見える映像を公開した。
このメディアはリシチャンスクの行政センターにロシアの国旗を設置したと報じている。
ルハンシク州のガイダイ(Sergiy Gaiday)知事は2日、テレグラムの投稿で、リシチャンスクに対する攻撃の勢いは衰えず、四方からロシア軍が迫っていると述べた。
一方、ルガンスク人民共和国の報道官はロシアメディアの取材に対し、「リシチャンスクを制圧したが、まだ解放できていない」と述べている。
ガイダイ氏によると、ルハンシク州の95%はロシア軍の占領下に置かれており、リシチャンスクが陥落すれば、ウクライナは同州を完全に失うことになる。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はルハンシク州の戦況が厳しいことを認める一方、西側諸国の重火器、特に長距離兵器があればロシア軍を追い払うことができると繰り返し訴えている。
西側はウクライナに兵器と人道支援を提供しつつ、対ロシア制裁を強化している。
ロシア軍は東部ドンバス以外の地域にもミサイルを撃ち込み、ウクライナをけん制している。
東部ハルキウ州政府は2日、市内の幹線道路や電力設備が攻撃を受けたと報告した。死傷者は報告されていない。
港湾都市オデーサ州と並ぶ交易の要衝ミコライフ州にもミサイルが着弾したと伝えられている。
ロシア国防省は2日、ウクライナ軍の指令所5カ所と弾薬庫数カ所を破壊したと発表したが、ウクライナ政府はこの攻撃に関する声明を発表しておらず、事実か否かは不明。
オデーサ州の集合住宅に対する1日の空爆では11歳の少年を含む市民少なくとも21人が死亡、30人以上が負傷した。