◎警察は27日、全国のLGBTQ+団体にプライド・パレードやイベントを無期限延期するよう要請した。
2022年6月27日/ノルウェー、首都オスロの市庁舎前で行われたプライド・パレード(Getty Images/AFP通信)

ノルウェーのLGBTQ+(性的少数者)団体は27日、首都オスロで発生した銃乱射事件の容疑者を非難し、暴力に立ち向かい決して降伏しないと誓った。

首都オスロ中心部のナイトクラブ近くで25日未明に発生した銃乱射事件では2人が死亡、21人が重軽傷を負った。

警察はこの事件を「イスラム過激派のテロ」と表現し、今後予定されているプライド・パレードを中止するよう団体に促していた。

公共放送局NRKは警察筋の話を引用し、「容疑者はLGBTQ+を敵とみなしている」と報じている。

警察は27日、全国のLGBTQ+団体にプライド・パレードやイベントを無期限延期するよう要請した。

オスロ市警の広報担当も同様の呼びかけを繰り返し、オスロ市庁舎前で予定されているパレードと集会に参加しないよう市民に求めた。

しかし、市庁舎前には数千人が集結し、虹色の旗を振り回し、「暴力に屈しない」「私を取り消すことはできない」などと書かれた看板を掲げた。

集会に参加した男性はNRHの取材に対し、「卑怯な暴力に屈するぐらいなら死んだ方がいい」と述べ、死亡した2人に哀悼の意を表した。

別の男性は「暴力や弾圧に直面した少数派が私たちに前進しろと言っている」と語った。

多くの活動家が警察のイベント中止勧告を批判し、「警察の仕事は暴力に屈することではなく、過激派から市民の命を守ることだ」と指摘した。

銃撃事件は25日未明、LGBTQ+に人気のあるナイトクラブ「ロンドンパプ」近くで発生した。

オスロの地方裁判所は事件の容疑者とされる43歳のZaniar Matapourを4週間勾留すると発表した。

NRKによると、容疑者は黙秘を続けているという。警察は攻撃をイスラム過激派のテロと呼んでいるが、動機はまだハッキリしていない。

ノルウェーの情報機関は容疑者を2015年から認識しており、その過激な思想からイスラム過激派組織のメンバーではないかと疑っていた。

情報機関の職員は先週、容疑者を事情聴取したが、暴力を示唆する兆候は確認できなかったとしている。

目撃者によると、容疑者はバッグから銃を取り出し、パブ周辺で乱射した。警察は数分後に容疑者を取り押さえ、銃を2丁押収した。そのうち1丁はオートマチックだった。

政府は事件後、テロ警戒レベルを最高レベルに引き上げた。

2022年6月26日/ノルウェー、首都オスロの中心部、銃乱射事件の犠牲者を悼む人々(Sergei Grits/AP通信)
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