◎亡命希望者133人が国境フェンスを乗り越え、スペイン領内に飛び込んだ。
モロッコの国境警備当局は24日、スペイン領メリリャに入国を試みた亡命希望者と国境警備隊が衝突、群衆事故が発生し、亡命希望者少なくとも18人が死亡、100人以上が負傷したと発表した。
メリリャはアフリカ大陸北西部に位置するスペインの都市で、1995年に自治権を与えられた。
AP通信によると、亡命希望者133人が国境フェンスを乗り越え、スペイン領内に飛び込んだという。
メリリャのスペイン政府事務所は24日、「約2000人が越境を試みたが、その多くがモロッコ側で阻止された」と述べた。
モロッコ内務省によると、群衆事故は国境フェンス周辺で発生したという。同省は現地で5人が死亡、76人が重軽傷を負い、モロッコの警備隊少なくとも140人が負傷したと説明した。
その後、モロッコの公共放送は政府当局者の話を引用し、「負傷した亡命希望者13人が病院で死亡した」と報じた。
スペイン当局によると、警備隊員49人が軽傷を負ったという。また、一部の移民の投石攻撃で警察車両4台が破損した。
越境に成功した133人はメリリャの移民センターに収容されたと伝えられている。
欧州への亡命を希望する人々は、メリリャやもうひとつのスペイン領セウタへの越境を試み、国境警備隊と何度も衝突している。
スペイン当局によると、3月初旬の2日間で3500人以上がメリリャを囲む高さ6mのフェンスを乗り越えようとし、1000人近くが越境に成功した。
モロッコ政府は昨年、セウタ周辺の警備体制を緩和している。これにより、数千人の移民がスペインに亡命申請を提出した。
この措置はスペイン政府がモロッコから分離独立した「西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)」の指導者をコロナ治療のために受け入れたことに対する報復とみなされている。
モロッコは西サハラを統治する武装組織「ポリサリオ戦線」をテロリストとみなしている。