◎ジェンドロン被告は5月14日、ニューヨーク州バッファローの食料品店で13人を銃撃し、10人を殺害した。
2022年5月19日/ニューヨーク州の地方裁判所、バッファロー銃乱射事件で起訴されたジェンドロン被告(Getty Images/AFP通信)

司法省は15日、ニューヨーク州バッファローの食料品店で10人を射殺したジェンドロン(Payton Gendron)被告(18)を憎悪を煽った罪で刑事訴追すると発表した。

被告は犯行前に攻撃の詳細を記した180ページにのぼる声明を投稿し、店内で10人を射殺する様子をアマゾンが運営する配信プラットフォームTwitchでライブストリーミングした。

当局は動機を「人種差別」「黒人に対する憎悪」と考えている。被告は13人を銃撃し、死亡した10人はいずれも黒人だった。

司法省によると、被告は現在、26件の連邦憎悪犯罪やNY州法の国内テロ罪などで起訴されている。国内テロ法で有罪が確定すれば、死刑に処される可能性がある。

被告は無罪を主張している。

15日に公表された連邦刑事訴状は、「ジェンドロン被告の大量殺戮の動機は黒人が白人に取って代わることを阻止することを目的としていた」としている。

また訴状は、「被告はこの攻撃で同じような願望を持つ者を刺激し、同様の攻撃が発生することを望んでいた」とした。

ガーランド(Merrick Garland)司法長官は15日、「肌の色を理由に怯えて暮らす必要はない」と人種差別を非難した。

司法省によると、被告はバッファローの黒人が多く住む地区まで320km以上運転し、「できるだけ多くの黒人の命を絶つ」というマニュフェストを達成するために行動したという。

犯行前に投稿されたマニフェストには、「私はファシスト・白人至上主義者である」と書かれている。

ジェンドロン被告は国内テロ法、第1級殺人、銃器の使用、暴力、今回のヘイトクライムなど、数十件の容疑で起訴されている。

ガーランド氏は既存の手続きに基づいて、被告に死刑を求刑するかどうかを決めるとした。

またガーランド氏は、その判断を下す際には「家族や遺族に相談することになる」と強調した。

2020年に施行されたNY州の国内テロ法で起訴されたのはジェンドロン被告が初めて。

米国内ではこの事件とテキサス州ユバルディで発生した銃乱射事件(21人死亡)を受け、銃規制強化を求める声が高まっている。

2022年5月14日/ニューヨーク州バッファローの食料品店近く(Joshua Bessex/AP通信)
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