◎ロシア軍は同州内のウクライナ軍の最後の拠点とされるセベロドネツクに猛攻を仕掛けている。
2022年6月12日/ウクライナ、東部ルハンシク州リシチャンスク、ウクライナ軍の地対空兵器(Gleb Garanich/ロイター通信)

ウクライナ東部ルハンシク州知事は13日、ロシア軍がセベロドネツクと対岸の都市リシチャンスクを結ぶ最後の橋を爆破したと報告した。

ロシア軍は同州内のウクライナ軍の最後の拠点とされるセベロドネツクに猛攻を仕掛けている。

ルハンシク州のハイダイ(Sergiy Gaiday)知事はテレグラムの投稿で、「ロシア軍にセベロドネツクの中心部を奪取された」と述べた。

ウクライナ政府は、この地域に配備されたロシア軍の兵器量は自軍をはるかに上回ると見積もっており、西側諸国の兵器供与、特に長距離兵器の供与を急ぐよう求めている。

セベロドネツクと対岸のリシチャンスクを奪われれば、ロシアと親ロシアのテロ国家「ルガンスク人民共和国」はルハンスク州全域を支配下に置くことになる。

ハイダイ氏はセベロドネツクにつながる3つの橋がすべて破壊されたと投稿した。「これで市内に残っている人々は極めて困難な状況に置かれることになりました...」

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は13日、セベロドネツクで繰り広げられている市街戦を「恐ろしい戦い」と表現し、ウクライナ軍は数メートル先のロシア軍と対峙していると説明した。

ハイダイ氏によると、セベロドネツクの約70%がロシア軍の支配下にあるという。

一方、親ロシアのもうひとつのテロ国家である「ドネツク人民共和国」軍の代表は13日、「セベロドネツクのウクライナ軍は降伏か死を選ぶことになる」と警告した。

ドネツク軍の高官、バスリン(Eduard Basurin)氏は地元メディアのインタビューの中で、「セベロドネツクのウクライナ兵は永遠にそこにとどまる」と述べ、降伏しなければ皆殺しもあり得ると示唆した。

ロシア政府はセベロドネツク制圧をドネツクとルガンスク両国の市民を保護する戦いと呼び、攻撃を正当化した。

ロシア国営RIAノーボスチ通信は13日の記事でペスコフ(Dmitry Peskov)報道官の発言を引用し、「ロシアの特別軍事作戦は共和国の保護を目的としている」と報じた。

ウクライナ政府関係者によると、西側諸国の兵器は思うように現地に届いていないという。

ゼレンスキー氏の顧問は戦争終結に必要な重火器リストを公表し、長距離兵器の重要性を強調している。

ウクライナ国防相も地元メディアのインタビューの中で、「りゅう弾砲を含む重火器がもっと早くセベロドネツクに届いていれば、効果的な防衛作戦を展開できた」と述べている。

ハイダイ氏は、「ロシア軍の優位は揺るがず、1日平均5万発のミサイルと砲弾をセベロドネツクに浴びせ、ミサイルの嵐を巻き起こしている」と述べた。

西側諸国は長距離兵器の供与を決めているが、ウクライナ軍の手元に届く時期は明らかにされていない。

2022年6月13日/ウクライナ、首都キーウ郊外のブチャ、集団墓地を調査する当局者(Natacha Pisarenko/AP通信)
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