◎投降したウクライナ兵2000人以上の情報はほとんど明らかにされていない。
2022年5月10日/ウクライナ、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所内(Dmytro Kozatsky/Azov Special Forces Regiment of the Ukrainian National Guard Press Office/AP通信)

ウクライナ政府は6日、南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所を防衛したアゾフ連隊の遺体がロシアから引き渡されたと明らかにした。

アゾフ連隊はドネツク州のウクライナ軍の主要拠点を防衛するために数週間奮闘したが、先月投降した。

投降したウクライナ兵2000人以上の情報はほとんど明らかにされていない。ウクライナは捕虜交換を求めているが、ロシアの一部議員は裁判にかけることを望んでいるとされる。

ウクライナ軍の報道官は6日、AP通信のインタビューの中で、「ロシアから引き渡されたウクライナ人の遺体は160体で、そのすべてがアゾフスタリ製鉄所で収容されたものと思われる」と語った。

報道官によると、そのうち少なくとも52体がアゾフ連隊の兵士と思われるという。

報道官は、「遺体の中にアゾフ連隊の司令官であるマクシム・ゾリン(Maksym Zhorin)氏が含まれていることを確認した」と述べている。

アゾフ連隊の兵士の家族は6日遅くに声明を発表し、「ロシアが引き渡した遺体の3分の1はアゾフ連隊の兵士であり、身元は現在確認中」とした。

AP通信によると、首都キーウで遺体のDNA検査が行われているという。

製鉄所で防衛任務にあたり行方不明なった兵士の家族だという男性はAP通信に、「キーウの施設で遺体の身元確認を行った」と説明している。「遺体はアゾフスタリ製鉄所から少なくとも2台のトラックで搬送、収容されたと聞きました...」

男性によると、兄の身元を確認することはできず、今回引き渡された遺体の中には含まれていなかったと述べた。また、一部の遺体は損傷が激しく、ひどく焼け焦げたものもあったという。

製鉄所への空爆で息子を失った母親は、「政府から(息子の)遺体がキーウに搬送されるかもしれないと連絡を受けた」と説明した。

母親は息子を「英雄」と呼び、ウクライナの地に埋葬することを望んでいると語った。

ロシアはアゾフ連隊を「ナチスの民兵」と呼び、過激な極右勢力と決めつけ、攻撃を正当化しようとしている。ウクライナはこの主張を否定、連隊はウクライナ軍に統合されたとしている。

アゾフ連隊は東部ドンバス地方に拠点を置く親ロシアのテロ国家と戦うために2014年に創設された志願制歩兵部隊である。

初期のメンバーは主に超国家主義者で構成され、白人至上主義的な思想を抱いていると非難されていた。その後、部隊はウクライナ国家警備隊に編入されている。

2022年5月5日/ウクライナ、南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所(Evgeniy Maloletka/AP通信)
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