◎ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)の首脳らはガーナの首都アクラで会合を開き、食料安全保障や地域情勢などについて協議した。
2022年6月4日/ガーナ、首都アクラで開催されたECOWAS首脳会議(DailyGuide Network)

西アフリカ諸国の首脳は4日、マリ、ギニア、ブルキナファソの軍事政権に対する制裁を先送りし、7月に再協議することで一致した。

西アフリカ諸国をまとめるECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)の首脳らはガーナの首都アクラで会合を開き、食料安全保障や地域情勢などについて協議した。

マリ、ギニア、ブルキナファソはECOWASから加盟停止処分を受けている。3カ国の軍指導者は数年後に民主的な選挙を行うと主張し、ECOWASの要求を拒否している。

ECOWASのブロウ(Jean-Claude Kassi Brou)委員長は声明で、「7月3日に再び首脳会議を開き、停止中の3カ国に対してさらなる制裁を科すかどうかを決定する」と述べた。

ECOWASは今年1月にマリに対して強力な経済制裁を科し、ECOWAS加盟国との取引や空路を閉鎖している。この制裁はマリの経済状況を悪化させ、人道危機を加速させた。

マリのゴイタ(Assimi Goita)大佐はサヘル地域で活動する国連平和維持ミッションからの離脱を決め、旧宗主国フランスとの関係を断ち切りなど、孤立を深めている。

またゴイタ大佐は2024年まで民主的な選挙を行うことは不可能と主張し、2021年の約束を破った。

ギニアとブルキナファソの軍事政権も3年後に選挙を実施すると提案しているが、ECOWASはこれを拒否し、速やかに選挙を行うよう要求している。

西アフリカの軍事クーデターラッシュは2020年8月に始まった。

マリのゴイタ大佐は選挙で選出された大統領を追放し、9カ月後に2度目の軍事クーデターを起こた。

ギニア軍は昨年9月、ブルキナファソは今年1月に指導者を追放した。

3カ国の政変は、多くの専門家が「西アフリカは落ち着きを取り戻しつつある」と考え始めていた矢先に発生した。マリで軍事クーデターが発生したのは8年ぶり、ギニアは13年ぶりだった。

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