◎同社は撤退後もロシアでの商標を保持し、必要に応じて行使するとしている。
マクドナルド社は19日、ロシア国内の全店舗を売却することで合意したと発表した。
同社はロシアのウクライナ侵攻を受け、3月にロシア国内の数百店舗を閉鎖し、今週、ロシア事業から撤退すると発表した。
同社のシカゴ本社は19日の声明で、「ロシア国内の約850店舗をゴヴォー(Alexander Govor)氏に売却することで合意した」と述べている。
ゴヴォー氏はシベリアで同社のフランチャイズ店を25店舗運営している。
マクドナルドは売却の詳細を明らかにしていない。ロシア事業の昨年の年間売上高は全体の約9%を占めていた。
世界最大のハンバーガーチェーンは1990年に当時のソビエト連邦に進出し、冷戦時代の終わりと新時代の幕開けを告げる存在になった。
マクドナルドが主要市場から撤退するのは初めてである。同社は近いうちにロシア国内に設置している社名入りのロゴや看板を撤去すると思われる。
同社は撤退後もロシアでの商標を保持し、必要に応じて行使するとしている。
同社は声明の中で、「売却手続きは規制当局の承認を受ける必要があるが、数週間以内に完了する見込みである」と述べている。
ゴヴォー氏は国内店舗で働く従業員約6万2000人を少なくとも2年間、同等の条件で維持することに合意した。また、売却が完了するまで従業員の給与を支払うことにも合意している。
報道によると、ゴヴォー氏はシベリアの石油精製所を運営する建設投資会社なども所有している。
他の米外食チェーンがロシアから撤退するかどうかは不明である。
スターバックスのロシア店130店舗は3月初旬から閉鎖されている。スタバとライセンス契約を締結するアルシャヤ・グループ(クウェート)はロシア店の従業員2000人に給与を支払い続けている。
パパ・ジョンズ・ピザもロシア事業を停止しているが、一部の店舗は営業を継続している。
マクドナルドはロシアに戻る可能性を残している。ケンプチンスキー(Chris Kempczinski)CEOは従業員に宛てた手紙の中で、「未来を予測することは不可能」と述べた。「マクドナルドがロシアに進出した時と同じ精神、希望でメッセージを締めくくりたいと思います。さようならという言葉で終わらせるのではなく、代わりにロシア語でまた会う日までと言いましょう」