◎石油施設は現在、首都トリポリのドベイバ暫定首相と対立する東部議会の管理下に置かれている。
2022年4月22日/リビアの石油施設(Esam Omran Al-Fetori/ロイター通信)

リビアの石油相は29日、主要石油施設が強制閉鎖されたことで、同国は1日6000万ドル(77億円)もの収益を失っていると明らかにした。

原油はリビアの生命線である。

その輸出で得られる収益は2011年のカダフィ大佐討伐以来続く紛争を乗り越えるカギであり、国民の生活再建に欠かせない。

世界の先物価格がここ数年で最高水準に達する中、同国の石油相はAFP通信のインタビューの中で、「石油施設の占領は国の経済に大きな影響を与えている」と語った。

4月中旬以降、同国の2つの主要輸出ターミナルといくつかの油田は人質に取られている。

モハメド石油・ガス相によると、生産量は1日約60万バレル減少し、占領前の約半分になったという。「販売価格を1バレル100ドルで計算すると、損失は毎日少なくとも6000万ドルにのぼります...」

ロシアのウクライナ侵攻と欧米の制裁発動以来、世界の原油価格は2014年以来の水準に達している。29日には、米国の指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイトが1バレル106ドルを超えた。ブレント先物価格は1バレル109ドルを超えている。

石油施設は現在、首都トリポリのドベイバ暫定首相と対立する東部議会の管理下に置かれている。

東部の都市トブルクの議会は2月初めに暫定内閣を発足させ、バシャガ氏を首相に指名した。しかし、トリポリには国連公認政府がある。

アナリストによると、バシャガ氏を支持する東部勢力はドベイバ暫定首相に退陣を迫るために石油施設を占領したが、ドベイバ氏は公正な選挙で選ばれた者以外とは話をしないと主張している。

東部議会は2011年の革命で重要な役割を果たしたハリファ・ハフタル司令官と連携している。地元メディアによると、ハフタル司令官の部隊も石油施設の占領に関与したという。

ハフタル司令官を支援する外部勢力には、湾岸諸国とOPECプラスを形成するロシアも含まれている。

モハメド石油・ガス相は、「東部議会はリビアの発展以外に興味はないと主張している」と述べるにとどめた。

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