◎進行中のイエメン内戦で徴用された児童は約3,500人に達し、その多くが戦線に派遣された。
2018年7月27日/イエメン、シーア派武装勢力フーシの拠点、銃を構える12歳の少年(Nariman El-Mofty/AP通信)

国連は18日、イエメンシーア派反政府武装勢力フーシが少年兵の使用停止に合意したと発表した。

デュジャリック報道官は記者団に対し、「フーシ派は武力紛争における児童の徴用や利用、児童への攻撃、学校や病院への攻撃をやめるための行動計画に署名した」と説明した。

またフーシ派は、徴用された児童を6カ月以内に解放することも約束したという。

首都サヌアで開催された式典にはフーシ派の高官が出席し、その場で協定に署名した。

国連の児童機関や代表者が見守る中、フーシ派は協定を「子供を守る計画」と呼んだ。

紛争地域における子供の保護活動を主導している国連担当者はフーシ派の決定を「前向きで心強い一歩」と呼びながらも、「約束を実行に移すことが重要」と強調した。

国連によると、進行中のイエメン内戦で徴用された児童は約3,500人に達し、その多くが戦線に派遣されたという。

しかし、フーシ派の軍幹部は2018年にAP通信が報じた記事の中で、2014年の開戦以来、児童約18,000人を入隊させたと説明していた。また、ある少年兵は地元メディアに、10歳の少年も徴用されたと語っている。

国連によると、内戦で死亡または重傷を負った児童はこの8年で10,200人を超えたという。戦死した児童の数は不明。

イエメン内戦は近代史上最悪の人道危機を引き起こし、国連のまとめによると、戦闘で死亡した兵士および民間人は15万人を超え、1,000万~2,000万人が国内避難民になり、1,100万人以上の子供が人道支援を必要としている。

サウジ主導の連合軍とフーシ派は今月、6年ぶりの全国的な一時停戦に合意した。

2カ月の停戦はイスラム教の聖なる月であるラマダンに合わせて始まり、和平への機運が高まることが期待されている。

イエメンのハディ暫定大統領は先々週、新評議会に権力を移譲し、フーシ派との和平交渉を主導すると発表した。

サウジアラビアをはじめとする他の湾岸諸国は新評議会の発足と権力の移譲を歓迎した。しかし、フーシ派の報道官は新評議会を一蹴している。

フーシ派はイスラエルとサウジの宿敵であるイラン、レバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、アルカイダ、イスラム国(ISIS)などの支援を受けている。

2021年3月2日/イエメン、首都サナア、フーシ派の戦闘員(Shutterstock/Yahya Arhab/EPA通信)
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