◎ロシアと中国寄りの政策を推進したカーン前首相は4月10日に解任された。
パキスタン軍の報道官は14日、米国が野党の不信任決議を後押ししたというイムラン・カーン前首相の陰謀論を強く否定した。
ロシアと中国寄りの政策を推進したカーン氏は10日に解任された。カーン氏は米国が西側寄りの政策を追求しなかった自分を追放するために野党と結託したと主張している。
カーン氏はウクライナ侵攻が始まった2月24日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談している。
カーン氏は政治家と軍人で構成される国家安全保障委員会が陰謀に関与したと主張し、不信任決議案を阻止するために戦うと支持者に約束していた。
軍の報道官は14日、安全保障委員会が国家元首の解任に関与したというカーン氏の主張を改めて否定した。「米国の公電が首相を追放する陰謀であるかどうか、はっきり分かるでしょう?私はそうは思いません」
カーン氏は米国がパキスタン大使に送った公電が不信任を後押ししたと主張している。米国はカーン氏のロシア訪問に懸念を表明していた。
国民議会は先日、最大野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派のジャバズ・シャリフ氏を新総裁に指名した。
野党やアナリストは軍が2018年の議会選挙でカーン氏を勝たせる手助けをしたと指摘しているが、両者はこれを否定している。両者の関係はカーン氏が昨年、情報機関の新長官の任命を拒否したことで悪化した。
カーン政権の情報相は、米国がカーン氏追放に関与したという告発を調査する司法委員会の設置を求めている。
軍の報道官は記者団に、「陸軍参謀総長(制服組トップ)は米国と野党がカーン氏を追放するために結託したという主張を否定しています」と語った。
また報道官は、「カーン氏は参謀総長に、不信任決議案を撤回すれば解散総選挙を行うという与党の提案を自分に代わって野党に伝えるよう依頼した」と明らかにした。「参謀総長はカーン氏に言われた通り、野党に解散総選挙の話をしましたが、野党はこの申し出を却下し、不信任決議案を提出しました」
また、昨年8月に米軍がアフガニスタンから撤退した後、米国がパキスタンに軍事基地の設置を求めたことは一度もないと強調した。
カーン氏の与党はテレビインタビューの中で、「米国はパキスタンに軍事基地の設置を断られ、カーン氏に敵意を抱いた」と主張していた。
カーン氏は集会で米国の陰謀を吹聴し、解散総選挙を求めている。
次の議会選挙は2023年10月までに行われる予定である。