◎スリランカは国債の利払いに苦労している。
世界最大の格付け会社は13日、スリランカはまもなくデフォルトに陥るという見方を示した。
フィッチ・レーティングスは同国の評価を引き下げたうえで、「ソブリン・デフォルトが始まっている」と述べた。
S&Pグローバル・レーティングスも同様の措置を取り、債務不履行を回避することは難しいという見解を示した。
スリランカは1948年の独立以来最悪の景気後退・経済危機に直面しており、12日に対外債務の返済を一時停止すると発表した。
一方、首都コロンボの郊外で野営している数百人のデモ隊は、マヒンダ・ラジャパクサ首相とゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が辞任するまで抵抗し続けると誓った。
政府は海外で働くスリランカ人に自国に送金するよう促している。
政府は11日にソブリン債の利子7,800万ドル(約98億円)を支払うことになっていた。この支払いを30日の猶予期間内に行えなければ、スリランカは初の債務不履行に陥る。
フィッチ・レーティングスは最新の格付けでスリランカのソブリン格付けを「C」に格下げし、「同国の支払い能力は回復不能なほど損なわれている」と指摘した。
フィッチは声明の中で、「ソブリン債の支払いが滞っている」と述べている。
S&Pもスリランカを、「いくつかの債務が不履行に陥ることは確実である」とし、格下げした。
また両社は、スリランカの債務再編計画の詳細と、政府が債権者への支払いを停止したことを確認している。
S&Pは声明の中で、スリランカはソブリン債の利払いを怠る可能性が高いという見方を示した。
スリランカ政府は12日、総額510億ドル(約6.4兆円)の対外債務の返済を一時停止すると発表した。スリランカは今年中に70億ドルの債務を処理する予定だが、外貨準備は3月中頃時点で4億ドルを下回った。
財務省は声明の中で、コロナウイルスとウクライナ侵攻の影響で債権者に支払うことが「不可能」になったと述べている。
政府は来週、国際通貨基金(IMF)と危機を解消する融資プログラムについて協議を始める予定である。
デモ隊は「ラジャパクサ家の不作為」「無謀な減税を含む後先考えない政策」「外貨を獲得できない事業への投資(主に中国がらみ)」などを非難している。