◎両首脳は昼食をとったのち、海洋・エネルギー問題、エーゲ海諸島の状況、移民問題などについて協議した。
2022年3月13日/トルコ、イスタンブールの政府庁舎、エルドアン大統領とギリシャのミツォタキス首相(Turkish Presidency/AP通信)

3月13日、トルコのエルドアン大統領とギリシャのミツォタキス首相がイスタンブールの政府庁舎で会談した。

両首脳は昼食をとったのち、海洋・エネルギー問題、エーゲ海諸島の状況、移民問題などについて協議した。

トルコ大統領府は会談後の声明で、「両国は欧州を取り巻く様々な問題やロシアのウクライナ侵攻についても議論した」と述べた。「トルコとギリシャは、ロシアのウクライナ侵攻によって変化した欧州の安全保障構造において特別な責任を負っています。両国は協力関係を強化し、地域の利益を追求することで一致しました...」

ギリシャとトルコはNATOの同盟国だが、東地中海のエネルギー探査権問題で対立しており、関係がぎくしゃくしている。

2020年夏にはギリシャとキプロスの排他的経済水域内でトルコが石油・天然ガス鉱床の掘削権を主張し、海軍のにらみ合いに発展した。トルコ政府はギリシャがエーゲ海の島々を軍事化することで国際協定に違反していると主張し、探査を正当化した。

それ以来、ギリシャは軍備の近代化計画を進めている。両国は問題解決に向けた公式の交渉を開始する土台作りの一環として2021年に協議を再開したが、大きな進展は見られなかった。

トルコの大統領府によると、両首脳は意見に相違があることを認めたうえで、さらなる協議に向けた取り組みを進め、関係を改善することに合意したという。

両国は移民問題でも対立を深めている。

ギリシャ政府はトルコが陸と海から移民希望者をギリシャやキプロスに送り込んでいると非難している。これに対しトルコ政府は、ギリシャ当局が国境を越えた移民を不法に押し戻し、移民の権利を侵害したと応戦している。

エルドアン大統領は会談の冒頭、ミツォタキス首相に、「二国間関係の新しいページを開くことを目標に、両国はエーゲ海、少数民族、テロ対策、移民などの問題で前進できると思っている」と述べ、問題が発生した時だけでなく、定期的に話し合うべきと強調した。

両国はアゼルバイジャンから西ヨーロッパに天然ガスを輸送するパイプライン建設を協力して進めている。

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