◎ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰は欧州の小国に深刻な影響を与えている。
3月12日、アルバニアの首都ティラナでインフレと燃料価格の高騰に抗議するデモが行われ、数千人が参加した。
アルバニアの燃料価格はこの1週間で50%以上値上がり、食料品や生活必需品の価格も軒並み高騰している。
エディ・ラマ首相は10日、燃料価格の統制に踏み切り、国民に車の使用を控えるよう強く促した。この措置により、ガソリンスタンドの小売価格は政府が決め、小売価格以上での販売は禁じられる。
首都ティラナの中央広場に集まった人々は政府庁舎前で横断幕を掲げ、ラマ政権に必要な措置を講じるよう要求した。
地元メディアによると、ティラナの政府関係施設には警察官が配備されたものの、デモは平和的に終了したという。一部のデモ隊は以前のデモで暴動を起こし逮捕された数十人を釈放するよう要求した。
政府関係者と主要なビジネスリーダーで構成される緊急対策委員会は今週、燃料価格を引き下げる措置を複数提案した。
しかし、デモを主催した団体は12日の声明で、政府の燃料価格を引き下げる措置は十分ではないと批判し、今後も毎日デモを行うと述べた。
12日の抗議デモが終了した直後、ラマ首相は年金受給者と低所得者層に補助金を交付すると発表した。またラマ首相は、公共と民間の被雇用者の半数以上の所得税を減額すると約束した。
政府は現在、一般家庭と中小企業の電気料金の80%を負担する緊急措置を導入している。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰は欧州の小国に深刻な影響を与えている。
デモ隊は政府に対し、一部の近隣諸国と同じように燃料税を引き下げるよう要求した。
バルカン半島南西部に位置するアルバニアはEUとNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請しており、ロシアのウクライナ侵攻に強く反対している。