◎アルバニアの燃料価格はこの1週間で50%以上値上がり、食料品や生活必需品の価格も軒並み高騰している。
3月10日、アルバニアの首都ティラナで数百人がインフレと燃料価格の高騰に抗議し、政府にさらなる対応を求めた。
政府機関の周辺に集まった一部のデモ隊は通りを封鎖し、のぼりを掲げるなどして政府に抗議した。
地元メディアによると、警察はデモ隊に通りから離れるよう促し、その後、小規模な乱闘が発生したという。負傷者の有無は明らかにされておらず、数人が拘束されたと伝えられている。
他の都市でも同様のデモが発生し、道路の封鎖に発展した。
アルバニアの燃料価格はこの1週間で50%以上値上がり、食料品や生活必需品の価格も軒並み高騰している。デモ隊は近隣諸国の政府と同じように燃料税や物品税を引き下げるよう政府に求めた。
エディ・ラマ首相は10日、フェイスブックに「原油と天然ガスの値上がりはウクライナ危機が原因であり、アルバニアが対ロシア制裁に参加した結果ではない」と投稿し、国民に理解を求めた。
またラマ首相は「政府は一般家庭と中小企業の電気料金の80%を補助している」と述べ、原油の高騰に伴う電気料金の値上がりに対処していると強調した。
原油と天然ガスの高騰は電力会社とガス会社に圧力をかけており、料金の値上がりが続いている。
ラマ首相は、「政府は関係会社も参加する緊急対策委員会を発足し、インフレを抑える抜本的な措置を講じる」と約束した。
エネルギー相は国民に対し、自動車の利用を極力控えるよう呼びかけている。
バルカン半島南西部に位置するアルバニアはEUとNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請しており、ロシアのウクライナ侵攻に強く反対している。