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土壌にマイクロプラスチックを混入させない、対策進む


マイクロプラスチックとは5ミリ未満の微小なプラスチック片であり、容器や包装材などの劣化によって発生する。
ガーデニングのイメージ(Getty Images)

園芸シーズンの到来に伴い、「プラスチック製」の園芸用品が土壌に微細なプラスチック粒子、いわゆるマイクロプラスチックを蓄積させる可能性があるとして、専門家が使用の見直しを呼びかけている。手軽で安価なプラスチック製品は広く普及しているが、その長期的な環境影響が改めて問題視されている。

マイクロプラスチックとは5ミリ未満の微小なプラスチック片であり、容器や包装材などの劣化によって発生する。これらは土壌や水、さらには人体からも検出されており、環境中に広く拡散している。

園芸分野においても例外ではない。プラスチック製の育苗トレーや植木鉢、支柱、肥料の被覆材などは、使用や紫外線による劣化を経て細かく分解され、土壌中に取り込まれる。土壌は農業用プラスチックの主要な受け皿の一つで、場合によっては海洋よりも高い濃度でマイクロプラスチックが存在する。

こうした粒子は土壌中の微生物やミミズなどの生態系に影響を及ぼす可能性があり、植物の成長や土壌の健全性にも関わる。実際にマイクロプラスチックが植物の光合成や収量に影響を与える可能性を示す研究も報告されている。

こうした背景から、専門家は「問題をこれ以上増やさない」ことが重要だと指摘する。すなわち、新たなプラスチック製品の使用を減らし、代替手段を取り入れることである。

具体的な代替策としては、まず育苗段階での工夫が挙げられる。従来のプラスチック製トレーの代わりに、土と有機素材を固めてそのまま苗床とする「ソイルブロック」や、ココヤシ繊維などで作られた生分解性ポットの利用が推奨されている。これらは使用後にそのまま土に還るため、廃棄物を増やさない利点がある。

また、植木鉢やプランターにはテラコッタや木製、天然繊維の布製バッグなど、自然由来の素材を用いる方法もある。マルチング材についても、プラスチックフィルムの代わりに樹皮チップや落ち葉などを活用することで、土壌の保湿と保護を同時に実現できる。

さらに、園芸資材の購入方法にも見直しが求められている。袋入りの培養土や肥料はプラスチック包装が一般的であるため、量り売りの堆肥を利用したり、自宅でコンポストを作ることで、プラスチックごみの発生を抑えることができる。支柱や結束材も木製の杭や天然素材のひもに置き換えることで環境負荷の低減につながる。

もっとも、すべてのプラスチックを即座に排除することは現実的ではない。専門家は耐久性の高い製品を長期間繰り返し使用するなど、「使い捨てを避ける」視点も重要だと強調する。プラスチックの問題は素材そのものだけでなく、使用方法や廃棄のあり方とも密接に関係しているためである。

マイクロプラスチックの除去は技術的にも難しく、現時点では発生を抑える予防策が最も有効である。日常的な園芸活動の中で素材選択を見直すことは、小規模ながらも環境負荷の軽減に寄与する取り組みといえる。

園芸は自然と向き合う活動である一方、その手法によっては環境に負担を与える側面も持つ。身近な道具の選択を見直すことが、持続可能な園芸への第一歩となる。

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