ガイアナ・ベネズエラ国境の係争地でまた銃撃戦、兵士1人負傷
ガイアナ国防軍によると、事件は29日深夜、両国の境界付近を流れるクユニ川で発生した。
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南米ガイアナとベネズエラの国境地帯でガイアナ軍の兵士1人が武装集団との銃撃戦で負傷した。両国の間では、豊富な天然資源を抱える係争地「エセキボ地域」の領有権を巡る対立が続いており、今回の事件は緊張の高まりを改めて浮き彫りにした。
ガイアナ国防軍によると、事件は29日深夜、両国の境界付近を流れるクユニ川で発生した。国境警備のために巡回していたガイアナ軍の船舶に対し、ベネズエラ側から現れた武装集団が発砲したという。兵士らは直ちに応戦し、その過程でガイアナ兵1人が負傷した。容体については公表されていない。
これに対し、ベネズエラ政府は30日に声明を発表し、ガイアナ側が事実を歪曲していると反論した。声明では、ガイアナが「被害者を装うために虚偽の物語を作り上げている」と主張し、自国の関与を否定した。双方の主張は真っ向から対立しており、現時点で発砲した武装集団の正体も明らかになっていない。
ガイアナとベネズエラの関係は近年、エセキボ地域を巡る領有権問題によって悪化している。エセキボ地域は約16万平方キロメートルに及び、金やダイヤモンド、木材などの天然資源が豊富なうえ、大規模な海底油田にも近接している。現在、周辺海域では日量約90万バレルの原油が生産され、その経済的価値は極めて大きい。
ベネズエラは同地域がスペイン植民地時代に自国領だったとして領有権を主張している。一方、ガイアナは1899年の国際仲裁によって国境は確定していると訴えており、両国の立場は大きく隔たっている。ベネズエラは1966年のジュネーブ協定によって仲裁判断は無効になったと主張するが、ガイアナは国際司法裁判所(ICJ)に提訴し、仲裁判断の有効性確認を求めている。
今月には両国がオランダ・ハーグのICJでそれぞれの主張を展開したばかりである。しかし、最終判断にはなお数カ月かかる見通しだ。こうした中、国境地帯では過去にも銃撃事件が発生し、ガイアナ兵8人が負傷したケースもあった。
今回の銃撃事件は法廷闘争が続く一方で、現場レベルでは依然として偶発的な軍事衝突の危険が残されていることを示した。資源開発と領土問題が絡む両国の対立は今後も地域の安全保障に影響を与える可能性がある。
