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アドミンデート、「やることリスト」を友人と一緒に処理

アドミンデートとは友人や恋人、ルームメートなどがカフェや自宅、バーなどに集まり、それぞれの個人的な「やることリスト」をこなす時間を共有する取り組みだ。
2026年4月20日/米アリゾナ州フラッグスタッフのコーヒーショップ(AP通信)

請求書の支払いやメールの整理、各種契約の解約手続き。こうした面倒な雑務を友人たちと一緒に片付ける「アドミンデート(Admin Date)」と呼ばれる新しい交流スタイルが米国の若者を中心に広がっている。生産性向上と人間関係の維持を同時に実現できるとして、SNSでも注目を集めている。

アドミンデートとは友人や恋人、ルームメートなどがカフェや自宅、バーなどに集まり、それぞれの個人的な「やることリスト」をこなす時間を共有する取り組みだ。税金の申告準備や家計管理、未読メールの処理、病院の予約、サブスクリプションの解約など、後回しになりがちな事務作業を共同で進める。

従来の友人同士の集まりと異なり、会話や娯楽が主目的ではない。しかし、同じ空間で作業を進めることで互いに刺激を受け、集中力や達成感を高める効果があるという。参加者は適度に雑談を交えながら作業し、一定時間ごとに休憩や飲食を楽しむケースも多い。

米アリゾナ州の大学生らは、授業の合間にカフェに集まり、課題や生活上の手続きを進める習慣を続けている。参加者の一人はAP通信の取材に対し、「一人ではなかなか始められないことも、友人と一緒なら取り掛かりやすい」と語った。周囲で勉強や仕事をしている人々の存在も集中力向上につながるという。

専門家はこの現象の背景に現代社会特有のストレスや孤独感があると分析する。デジタル化が進んだ一方で、行政手続きや契約管理、金融関連の事務作業は複雑化している。さらにリモートワークの普及により、人と直接会う機会が減少したことも影響しているとみられる。

米国の心理学者テマ・ブライアント(Dr. Thema Bryan)氏は、アドミンデートには「モデリング効果」が働くと指摘する。他者が真剣に作業する姿を見ることで、自分も同様の行動を取りやすくなるという理論だ。スポーツジムで集団トレーニングに参加すると継続しやすいのと同じように、共同作業が責任感や意欲を高める効果を生むとしている。

また、精神的な負担の軽減も期待されている。米ハーバード大学医学部のアディティ・ネルルカー(Dr. Aditi Nerurkar)博士は、多くの人が「自分は整理整頓が苦手だ」「何も終わらせられない」といった否定的な自己認識を抱え、それがさらに先延ばしを招く悪循環に陥っていると説明する。信頼できる仲間と一緒に現実的な目標を設定して作業することで、そうした不安やストレスを和らげることができるという。

こうした取り組みはSNS、とりわけTikTokを通じて急速に拡散した。「アドミンナイト」や「アドミンパーティー」と呼ばれる類似イベントも人気を集めており、参加者が軽食や飲み物を持ち寄って雑務を片付ける様子が数多く投稿されている。生産性を競うのではなく、互いを励まし合いながら取り組むことが特徴だ。

一方で専門家は、参加者同士の比較がストレスになる可能性にも注意を促している。仕事量や収入、生活環境の違いによって劣等感を抱くケースもあり得るためだ。また、作業よりも雑談が中心となり、本来の目的を見失う恐れもある。そのため、事前に達成したい目標を決め、適度な休憩時間を設けることが望ましい。

それでも、多忙な現代人にとってアドミンデートは新たな交流の形として定着しつつある。単なる効率化の手法ではなく、孤独になりがちな日常業務を仲間と共有し、互いに支え合う場としての価値が評価されている。仕事や家事に追われる中で、「やらなければならないこと」と「会いたい人との時間」を両立させる試みとして、今後さらに広がる可能性がありそうだ。

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