ペルー大統領選決選投票、小規模金鉱事業者が勝敗を左右?6月7日投開票
争点となっているのは、政府の鉱業登録制度REINFOの扱いだ。
とロベルト・サンチェス氏(AP通信).jpg)
南米ペルーで6月7日に行われる大統領選決選投票は、国内で急拡大する小規模金採掘業者の支持動向が勝敗を左右する可能性が高まっている。右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏と左派のロベルト・サンチェス(Roberto Helbert Sánchez Palomino)氏による一騎打ちとなる中、約50万人に上る零細採掘業者が重要な票田として注目されている。
争点となっているのは、政府の鉱業登録制度REINFOの扱いだ。同制度は小規模採掘業者が環境許可や操業認可を完全に取得していなくても活動を継続できる暫定措置として導入された。当初は2020年までの時限措置だったが、政治的な圧力を背景に延長が繰り返されてきた。現在ではペルーの金輸出の50%を支えるまでに拡大し、その規模は年間110億ドルに達するとされる。
左派のサンチェス氏はREINFOの延長や採掘権の再分配を約束し、鉱山地域や農村部で支持を広げている。一方、フジモリ氏は大手鉱山企業に近い立場とみられ、制度の見直しや違法採掘対策の強化を求める声を受けている。ただし、両候補とも小規模採掘業者の票を失うことを警戒し、明確な規制強化には踏み込み切れていない。
ペルーの鉱業は国内総生産(GDP)の約12%を占める基幹産業であり、世界有数の銅・金産出国として知られる。しかし近年は違法採掘の拡大が深刻化している。高騰する金価格を背景に非合法な採掘活動が広がり、環境破壊や森林伐採、水銀汚染に加え、犯罪組織の資金源になっているとの指摘も多い。専門家は違法採掘業界が麻薬取引に匹敵する影響力を持ち始めていると警告している。
またペルーでは総額630億ドル規模の鉱業投資案件が控えており、次期政権の政策次第で投資環境が大きく変化する可能性がある。業界団体は候補者双方の鉱業政策に不透明感があるとして懸念を表明している。
長年にわたり政治不安が続くペルーではこの10年で8人の大統領が誕生した。今回の決選投票は単なる政権選択にとどまらず、違法採掘問題への対応と鉱業大国としての将来像を左右する重要な選挙となりそうだ。
