米国によるキューバへの燃料輸出が闇市場を助長、知っておくべきこと
米国産燃料は停電時の発電機や自家用車などに利用され、深刻なエネルギー不足を一部緩和している。
.jpg)
米国からキューバの民間企業への燃料輸出が、同国のエネルギー市場に大きな変化をもたらしている。米国の対キューバ禁輸制裁には民間企業が利用する燃料の輸出を認める例外措置があり、2026年2月以降、ガソリンやディーゼルがキューバに流入し始めた。背景には、米国の圧力や制裁によってベネズエラとメキシコからの燃料供給が途絶えたことがある。
米国産燃料は停電時の発電機や自家用車などに利用され、深刻なエネルギー不足を一部緩和している。2~5月には約90万バレルが輸入されたが、国内需要の約9日分にすぎない。それでも不足が続く中、燃料の転売市場が急速に拡大した。首都ハバナではアパートや商店の裏部屋で燃料が販売され、フェイスブックなどのSNSを通じた取引も広がっている。価格は一時、1リットル10ドル、1ガロン38ドルにまで高騰した。
共産党は2月、民間企業が自社使用の燃料を輸入することを初めて認め、6月にはエネルギー分野への民間・外国投資を促す経済改革を承認した。7月末までに約200社が民間企業向けの燃料卸売りを認可され、外国企業による燃料輸入・販売事業への初の投資も承認された。
一方、燃料の高騰は所得格差をさらに広げている。キューバの平均的な政府職員の月給は約10ドルで、多くの市民に輸入燃料は手が届かない。公共バスが利用できず、燃料費高騰でタクシー料金が500倍に達するケースもある。燃料供給の新たな仕組みは経済の一部に資本主義的な市場を持ち込む一方、国家による管理と非公式市場が混在する不透明な構造を生み、貧富の差を一段と深刻化させている。
