米国、ハイチ大統領暗殺事件の捜査を拡大、30人起訴、容疑者18人を米国へ移送
事件から5年余りを経て、米国の司法手続きが暗殺計画の資金源や組織構造をどこまで明らかにできるかが焦点となる。
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米国の司法当局は今年、2021年7月に発生したハイチのモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件をめぐり、捜査と司法手続きを大幅に拡大した。フロリダ州南部地区の連邦大陪審は8月、暗殺への関与を疑われる30人を起訴。司法当局は9月20日までに、このうち18人をハイチから米国へ移送した。起訴状は週末に公開された。
新たに訴追対象となった人物には、事件の首謀者とされる元ハイチ政府職員ジョゼフ・フェリック・バディオ(Joseph Félix Badio)被告、コロンビア軍の元兵士17人、ハイチの武装ギャング指導者らが含まれる。ギャング指導者は現在もハイチで活動中とされ、2021年に米国人とカナダ人の宣教師17人が誘拐された事件への関与でも米当局から指名手配されている。
米検察によると、暗殺計画はハイチだけでなくフロリダ州を拠点として進められ、コロンビアの元兵士らが動員された。計画にはモイーズ氏を誘拐した後に殺害し、後継者として米国籍を持つハイチ人医師クリスチャン・エマニュエル・サノン(Christian Emmanuel Sanon)被告を据える構想があったとされる。さらに、事件の資金調達には新型コロナウイルス対策の融資制度を悪用した詐欺や資金洗浄が利用されたと米検察は主張している。
モイーズ氏は2021年7月7日、首都ポルトープランスの自宅で武装集団に襲撃され死亡。妻も重傷を負った。米司法省によると、暗殺計画では22人のコロンビア軍の元兵士やハイチのギャング関係者らが勧誘され、武器や弾薬の調達などが進められていた。
今回の訴追拡大は、ハイチ国内で事件の全容解明が難航していることも背景にある。米国ではこれまでにも事件関連の被告が有罪を認めるなどしており、2026年5月には4人が有罪判決を受けた。米司法当局は今回の捜査について、暗殺の実行犯だけでなく、資金提供や物流面で計画を支えた人物まで責任を追及する方針を示している。
事件から5年余りを経て、米国の司法手続きが暗殺計画の資金源や組織構造をどこまで明らかにできるかが焦点となる。
