◎オルテガ氏は現在77歳。1970年代の革命で独裁政権を打倒し、与党「サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)」の指導者として大統領に就任した。
ニカラグアのオルテガ大統領(Getty Images/EPA通信)

国連は2日、ニカラグアオルテガ(Daniel Ortega)大統領が「人道に対する罪」に相当する深刻かつ体系的な人権侵害を行っていると非難し、国際社会に対し、オルテガ政権に制裁を科すよう要請した。

国連のニカラグア問題を調査する専門家委員会のシモン(Jan Simon)議長はジュネーズで調査結果を公表。「オルテガ政権は2018年以来、拷問、超法規的処刑、恣意的拘束を多用し、現在も行っている」と非難した。

またシモン氏はオルテガ氏とその妻であるムリジョ(Rosario Murillo)副大統領を名指しし、国際社会に必要な法的措置と制裁を科すよう求めた。「政府は国内の反対・異論を唱える者をさまざまな方法で排除してきました...」

シモン氏は「ニカラグアの市民は恐怖の中、身を潜めて生活している」と述べた。

オルテガ氏は先月、野党指導者、司祭、活動家、学生、ジャーナリストなど、計222人を国外追放し、市民権を剥奪した。

この専門家委員会は1年前に活動を開始して以来、オルテガ政権に書簡を12通送ったものの、回答はなかったという。

オルテガ氏は現在77歳。1970年代の革命で独裁政権を打倒し、与党「サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)」の指導者として大統領に就任した。

その後、紆余曲折を経て権力の座を離れたものの、2007年に再選。現在に至る。

人権団体や野党はオルテガ政権が力で選挙に勝利し、国を支配するために反対派を弾圧していると長い間非難してきた。

治安部隊は2018年、反政府デモを力でねじ伏せ、300人以上を殺害した。

シモン氏はオルテガ政権の虐待の規模について、「100件以上の処刑、数百件の拷問と恣意的拘束、数千件の政治的迫害を確認している」と説明した。

またシモン氏はこの問題について、「人道的危機に悪化する可能性がある」と警告した。「私たちのレポートで治安当局の体系的な虐待・拷問・暴走が収まることを願っています...」

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