ハイチ首都で政府に支援求める抗議デモ、ギャング暴力激化
週末から続くギャング同士の地上戦によって数百人が避難を余儀なくされており、住民たちは「国家に見捨てた」と怒りをあらわにしている。
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ハイチの首都ポルトープランス北部に位置するシテ・ソレイユ地区でギャング間抗争が激化したことを受け、住民らが12日、政府と警察に対して保護強化を求める抗議デモを行った。週末から続くギャング同士の地上戦によって数百人が避難を余儀なくされており、住民たちは「国家に見捨てた」と怒りをあらわにしている。
デモでは住民らが木の枝を手に道路を封鎖し、装甲車で到着した警察部隊に対して「ギャングと戦え」「テロリストを倒せ」と訴えた。現地では銃声が鳴り響く中で抗議デモが続き、一部住民は路上にひざまずきながら治安部隊に支援を求めた。
AP通信の取材に応じた女性は「こんな目に遭う理由はない」と涙ながらに語り、自宅を追われた後は路上で寝泊まりしているという。
暴力は11日に激化した。住民によると、重武装兵が住宅に放火し、無差別に発砲を始めたことで、多くの住民が命からがら逃げ出した。家族と共に避難したという女性はAPの取材に対し、「殺されるかと思った」と証言し、少なくとも7人の遺体が路上に放置されていたと話した。国家警察は死者数を公表していないが、焼けた車両や家畜の死骸も路上に放置され、シテ・ソレイユは事実上の戦場と化している。
人道状況も急速に悪化している。国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は11日、病院敷地内に流れ弾が飛び込み警備員が負傷したことを受け、シテ・ソレイユの病院を閉鎖したと明らかにした。地元の医療機関も入院患者を全員避難させ、新生児集中治療室にいた11人の乳児も搬送された。現在、この地域で機能している病院はなく、妊婦や負傷者への医療提供が困難な状態となっている。
ハイチでは2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺以降、国家統治機能が急速に崩壊した。警察によると、ギャングは首都の70%を支配し、誘拐、略奪、性的暴行などの犯罪が地方にも広がっている。一時は首都の90%がギャング支配下に置かれたとされる。現在も大統領不在の状態が続き、暫定政権は統治能力を発揮できていない。
国際社会も対応を急いでいる。国連安全保障理事会は治安回復のため5500人規模の多国籍部隊派遣を承認し、今年4月には外国部隊の一部が到着した。しかし、部隊の展開が遅れ、現地では「支援が追いついていない」との不満が強い。ロイター通信によると、ケニア主導の国連部隊再編も難航しており、治安改善の見通しは立っていない。
国際移住機関(IOM)は今年、ギャング暴力による国内避難民が140万人を超えたと報告した。このうち約20万人が首都圏の過密な避難施設で生活している。空港周辺でも治安悪化が進み、主要道路がギャングの脅威にさらされている。住民たちはデモの中で、「政府も国際社会も、ハイチを忘れている」と述べ、国際社会にさらなる支援を呼びかけた。
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