米ユナイテッド航空の客室乗務員、5年間の労働契約を承認、31%賃上げ含む
今回の契約は約3万人の客室乗務員を対象とし、労働組合「全米客室乗務員協会(AFA-CWA)」による組合員投票で承認された。

米航空大手ユナイテッド航空の客室乗務員が13日、5年間の労働契約を承認した。この契約には31%の賃上げに加え、搭乗作業中の賃金支給が盛り込まれ、米航空業界における待遇改善の流れを象徴する内容となった。
今回の契約は約3万人の客室乗務員を対象とし、労働組合「全米客室乗務員協会(AFA-CWA)」による組合員投票で承認された。労組によると、賛成率は82%に達した。客室乗務員にとって約6年ぶりの大幅な賃上げであり、今夏から基本給が平均31%引き上げられる。また、過去分の未払い補償として総額7億4100万ドルの遡及支払いも実施される。
特に注目されるのが「ボーディングペイ(搭乗業務手当)」の導入だ。従来、多くの米航空会社では、客室乗務員の給与計算は機体ドアが閉まり、飛行準備が完了した時点から始まっていた。しかし実際には、搭乗中も乗客案内や荷物収納、安全確認など重要な業務を担っており、「無給労働」との不満が長年くすぶっていた。
新契約では搭乗開始から賃金が発生する仕組みが採用され、実質的に平均7~8%分の追加報酬につながるという。デルタ航空やアメリカン航空なども近年、同様の制度を導入し、業界全体で待遇改善が進んでいる。
さらに契約には、深夜便勤務への制限、2時間半を超える遅延時の追加手当、退職年金拠出の増額、10週間の有給育児休暇、24時間待機制の廃止なども盛り込まれた。コロナ禍後に大量採用された若手乗務員の生活安定にも寄与するとみられる。
ユナイテッド航空のCEOは声明で、「世界最高の客室乗務員にふさわしい業界最高水準の契約だ」と歓迎した。一方、労組側も「団結が成果をもたらした」と強調している。
航空業界ではコロナ禍後の人手不足やインフレを背景に、各社で賃上げ要求が強まっている。今回の労使合意は客室乗務員の労働環境改善における重要な転換点となりそうだ。
