米領プエルトリコの開発庁長官が辞任、政権の「介入」を非難
プエルトリコは長年の財政危機や債務問題からの立て直しを進めており、近年は富裕層や外資系企業を呼び込むための税制優遇策を積極的に展開してきた。
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米領プエルトリコで経済政策を担う主要機関のトップが辞任し、政界に波紋が広がっている。経済開発商務省(DDEC)のライチャード(Sebastián Negrón Reichard)長官は26日、ゴンザレス(Jenniffer González)知事率いる政権による「介入」があったと主張し、辞表を提出した。景気回復と海外投資誘致を進める同地域にとって、政権運営への不信が表面化した形だ。
ライチャード氏は声明で、政権が省内の調達業務に不適切な介入を行ったと指摘した。内部調査を踏まえて自身が下した2件の停職処分について、政権側が撤回したことが問題だとしている。さらに、こうした対応によって「職務に必要な誠実性と独立性を維持できなくなった」と批判し、不正の可能性を報告した職員も十分に保護されなかったと訴えた。
今回の辞任では、ライチャード氏だけでなく、首席補佐官や法務顧問、財務責任者を含む10人以上の幹部職員も同時に退任した。省内の中枢メンバーが一斉に離脱する異例の事態となり、行政機能への影響も懸念されている。ライチャード氏は法的措置を取る可能性を示唆しているが、詳細についてはコメントを控えた。
これに対し、ゴンサレス氏は記者団に対し「彼は優秀な長官だった。多くの成果を上げ、ともに努力してきた」と述べ、辞任への失望感を示した。一方で、政権による介入疑惑については明確な説明を避けた。親米政党・新進歩党(PNP)の上院議長は「極めて遺憾」と述べ、事態の徹底解明を求めている。
プエルトリコは長年の財政危機や債務問題からの立て直しを進めており、近年は富裕層や外資系企業を呼び込むための税制優遇策を積極的に展開してきた。DDECはその中心的役割を担う機関であり、今回の混乱は投資家心理にも影響を与える可能性がある。行政の透明性や汚職防止体制への懸念が強まれば、経済再建戦略そのものが揺らぎかねない。
