米国防長官「キューバが長距離兵器を取得すれば深刻な結果招く」
ヘグセス氏は基地に駐留する米軍兵士を前に演説し、「キューバ政府がこの基地や米国本土に到達可能な兵器を調達しようとするのは賢明ではない」と述べた。
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米国のヘグセス(Pete Hegseth)国防長官は10日、キューバ南東部の米海軍基地グアンタナモを訪問し、キューバ政府が米本土や基地を攻撃可能な兵器の取得を試みれば、「耐えられない対立を招くことになる」と警告した。トランプ政権が対キューバ圧力を強める中での発言であり、カリブ海地域の緊張をさらに高める可能性がある。
ヘグセス氏は基地に駐留する米軍兵士を前に演説し、「キューバ政府がこの基地や米国本土に到達可能な兵器を調達しようとするのは賢明ではない」と述べた。そのうえで、「いかなる国も米国の軍事力には対抗できない」と強調し、軍事的優位性を誇示した。ただし、具体的にどの兵器を念頭に置いているかについては言及しなかった。
今回の訪問はトランプ政権による対キューバ政策の強硬化を象徴する動きとみられている。5月には米中央情報局(CIA)のラトクリフ(John Ratcliffe)長官が異例のハバナ訪問を実施したほか、米南方軍(SOUTHCOM)のドノバン(Francis L. Donovan)司令官もグアンタナモ湾周辺でキューバ軍高官と接触している。こうした一連の高官往来は外交的圧力と軍事的牽制を組み合わせた米国の戦略の一環と受け止められている。
背景には、キューバをめぐる安全保障上の懸念の高まりがある。米メディアは先月、キューバが300機以上の軍用ドローンを取得し、グアンタナモ湾基地や米海軍艦艇、さらにはフロリダ州キーウェストへの攻撃計画を検討していた可能性があると報じた。キューバ政府はこの報道を否定し、「米国が軍事介入を正当化するための口実づくりだ」と反発している。
一方、キューバ側は米国からの軍事的脅威が高まっているとの認識を強めている。外務省は先月、「キューバに対する軍事侵攻の危険は日々増している」と述べた。ロドリゲス(Bruno Rodríguez Parrilla)外相も仮に米国が軍事行動に踏み切れば「数千人のキューバ人と米国人が犠牲になる流血の惨事になる」と警告している。
トランプ政権はキューバに対する経済制裁を大幅に強化してきた。特に石油やエネルギー供給に対する圧力は深刻で、専門家の間では事実上の「燃料封鎖」との見方も出ている。島内では慢性的な停電や燃料不足が続き、経済危機が一段と深刻化している。こうした不安定化が大量の移民流出につながるとの懸念も広がっている。
1959年のキューバ革命以来、両国は長年にわたり対立関係を続けてきた。近年は一時的な関係改善の動きもあったが、トランプ政権発足後は再び緊張が高まっている。ヘグセス氏は演説の中で「将来的にはキューバ政府と友好的な関係を築きたい」と述べたものの、「必要であればあらゆる選択肢を大統領に提供する」とも語った。米国とキューバの対立は新たな局面に入りつつある。
