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イスラエル政府、ヨルダン川西岸の入植地拡大予算を承認へ

ヨルダン川西岸と東エルサレムには約70万人のユダヤ人入植者が居住している。
パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地(Getty Images/AFP通信)

イスラエル政府がパレスチナ・ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地拡大に向け、約10億シェケルの予算を投入する計画を承認する見通しとなった。イスラエルの反入植団体ピース・ナウが11日に明らかにしたもので、道路や上下水道などのインフラ整備に加え、新たな住宅建設や仮設居住地の整備が進められるという。

計画を主導しているのは極右政党を率いるスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相である。同氏はパレスチナ国家樹立に反対する立場を鮮明にし、入植地拡大を通じてイスラエルの実効支配を強化する方針を掲げてきた。今月初めには西岸各地で2000戸を超える住宅建設計画も承認され、今回の予算措置はその流れをさらに加速させるものとみられている。

ヨルダン川西岸と東エルサレムには約70万人のユダヤ人入植者が居住している。一方で約270万人のパレスチナ人が暮らしており、土地や資源を巡る対立が長年続いてきた。国連をはじめ国際社会の大半は、1967年の第三次中東戦争以降に建設された入植地を国際法違反とみなしているが、イスラエル政府は歴史的・宗教的権利を根拠にこれを否定している。

パレスチナ側は今回の計画について、将来のパレスチナ国家建設を一段と困難にする措置だと反発している。西岸はすでに多数の入植地によって分断され、さらなる開発は領土の連続性を損ない、「二国家解決」の実現可能性を低下させるとの懸念が強い。

近年は入植者とパレスチナ人の衝突も増加している。国連調査委員会は今週公表した報告書で、入植者による暴力行為が2023年以降大幅に増加していると指摘した。イスラエル側は報告内容を否定しているが、人権団体や欧米諸国の間で懸念が高まっている。

イギリスやフランス、カナダなどは最近、入植活動や入植者による暴力に関与した個人や団体への制裁措置を相次いで発表した。国際社会からの圧力が強まる中でも、ネタニヤフ政権は西岸地区での入植政策を継続する姿勢を崩していない。今回の大型予算投入はイスラエル政府が占領地での支配強化を進める方針を改めて示した形となり、中東和平を巡る緊張がさらに高まる可能性がある。

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