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インドの風刺政党「ゴキブリ人民党」、全国で抗議デモ開始、政府に圧力

この日の主要集会は西部マハラシュトラ州の大学で開かれ、数千人の学生や若者が参加した。
2026年6月6日/インド、首都ニューデリー、風刺政治団体「ゴキブリ人民党」の支持者(AP通信)

インドで急速に支持を広げている若者主導の風刺政治団体「ゴキブリ人民党(Cockroach Janta Party、CJP)」は11日、全国規模の抗議活動を開始した。教育制度の不備や若年層の失業問題への不満を背景に、SNS上で誕生した風刺的な運動が現実の政治活動へと発展し、政府に対する新たな圧力となっている。

この日の主要集会は西部マハラシュトラ州の大学で開かれ、数千人の学生や若者が参加した。主催者は教育制度改革と試験不正問題への対応を求め、中央政府に抜本的な改善策を講じるよう要求した。CJPは今後、北部のラクナウやアムリトサル、南部のベンガルールなど全国の主要都市でも抗議デモを展開する計画を明らかにしている。

この運動の発端は今年5月、最高裁判所のカント(Surya Kant)長官が就職難に直面する若者について「ゴキブリのように増えている」と発言したとされることだった。若者たちはこの表現を逆手に取り、「どんな環境でも生き抜く存在」の象徴としてゴキブリを採用した。SNS上ではユーモアや風刺を交えた投稿が拡散され、運動は短期間で爆発的な支持を獲得した。

創設者のアビジート・ディプケ(Abhijeet Dipke)氏は米国留学中の学生であり、インスタグラムを中心に運動を展開してきた。CJPの公式アカウントのフォロワー数は2200万人を超え、インドの若年層の間で大きな影響力を持つまでになった。同氏は教育相の辞任を求めるとともに、相次ぐ試験問題漏えいや採点ミスについて政府が責任を取るべきだと主張している。

実際、近年のインドでは公務員試験や大学入試を巡る不正疑惑が相次ぎ、多くの受験生が将来への不安を募らせている。若年失業率の高止まりやインフレも重なり、若者の不満が拡大している。CJPはこうした社会問題を「若者の尊厳の問題」と位置付け、既存政党が十分に対応していないと批判している。

一方で、与党支持者の中には、この運動を一時的なSNS現象に過ぎないとみる向きもある。しかし専門家は、デジタル空間で生まれた若者運動が実際の街頭行動へ発展した点に注目している。6日に首都ニューデリーで行われた初の大規模デモには数百人が参加し、その後も支持の拡大が続いている。

CJPは20日にニューデリーで大規模集会を予定しており、政府が要求が受け入れなければ抗議活動を継続する構えを示している。ユーモアを武器にした異色の政治運動がインド政治にどのような影響を与えるのか注目されている。

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