◎パナマととコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡」では人身売買組織だけでなく、麻薬カルテルやギャングも活動している。
2023年6月2日/パナマ、ダリエン県の軍事基地、人身売買組織の取り締まり作戦に参加する海兵隊(Arnulfo Franco/AP通信)

パナマは政府は2日、同国とコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」で活動する人身売買組織を取り締まる作戦を開始した。

政府によると、この取り締まりは「シールド作戦」と名付けられ、今年4月に米国およびコロンビア政府と結んだ移民関連の協定に基づいているという。

同政府は米国から寄贈されたヘリコプターなどを使ってダリエン地峡のパトロールを強化してきた。

シールド作戦では人身売買を含む組織犯罪を根絶するため、この地域に国境警備隊の特別部隊が派遣される予定だ。

ダリエン県の軍事基地で行われた式典には政府高官、海軍、国境警備隊、警察、入国管理局の職員などが出席した。

政府報道官は地元メディアの取材に対し、「この作戦は人の痛みで財を成す犯罪者を取り締まる政府の取り組みのひとつである」と語った。

それによると、約1200人の入国管理局員、国境警察、海兵隊が作戦に参加する予定。

国境警備隊は今週、ダリエン地峡で銃撃戦が発生し、人身売買組織の構成員とみられる3人を射殺したと発表した。

政府は国境を閉鎖すべきという保守派の考えを否定している。

ダリエン地峡では人身売買組織だけでなく、麻薬カルテルやギャングも活動している。そこを通過する際は泥棒、人身売買、レイプなどに警戒する必要がある。

当局によると、今年ダリエン地峡を渡った移民は17万人近くに達した。国連は年末までに40万人がそこを通過し、昨年の25万人を大幅に上回る可能性があると警告している。

2021年の通過者は13万3000人と推定されている。急増の主な要因はベネズエラ移民とされ、昨年そこを通過した移民の6割がベネズエラ人であった。

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