◎この抗議デモは3週間ほど前に始まり、各地で幹線道路が封鎖され、燃料や食料の輸送に大きな影響が出ていた。
2022年7月20日/パナマ、首都パナマシティ郊外の道路(Arnulfo Franco/AP通信)

中米パナマの現地メディアは20日、燃料や食料の価格高騰に抗議するデモの影響で一部地域の物資が不足していると報じた。

この抗議デモは3週間ほど前に始まり、各地で幹線道路が封鎖され、燃料や食料の輸送に大きな影響が出ていた。

報道によると、コロンビアと国境を接する地域では燃料不足の影響で計画停電が行われている。対象世帯数は約7000世帯で、停電時間は1日11時間におよぶという。

市内の主要卸売市場は手元にある果物を販売しているが、トマトやレタスなどの野菜が入荷されず、困り果てている。

首都パナマシティの市場で野菜を販売している男性はAP通信の取材に対し、「市内に野菜が届かず、売りたくても売れない」と語った。

地元メディアによると、パナマ最大の農業地帯であるチリキ県のデモが食料不足に拍車をかけているという。

チリキ県の先住民族は現在、南北アメリカ大陸の国々を結ぶ幹線道路網「パンアメリカン・ハイウェイ」の一部区間を占領し、車両の通行を妨害している。

パンアメリカン・ハイウェイの封鎖はパナマ以外の国や地域にも影響を与えている。

地元メディアは政府筋の話を引用し、「農業団体はこの抗議デモで1億3000万ドル以上の損失を計上する恐れがある」と報じた。

チリキ県の医療機関では医療用酸素も不足している。保健省によると、供給を請け負う会社が在庫を放出したため、深刻な事態には発展していないという。

チリキ県のデモ隊は20日、パンアメリカン・ハイウェイのバリケードを一部撤去し、トラックの通過を許可した。報道によると、食料や医薬品を積んだトラック少なくとも30台がチリキ県やパナマシティに向かったという。

2022年7月20日/パナマ、首都パナマシティ郊外の道路(Arnulfo Franco/AP通信)
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