バハマ政府高官が麻薬密売に関与か、野党が説明求める
問題となっているのは、米フロリダ州沖で発生した小型機墜落事故で生還した男に関する捜査だ。
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カリブ海の島国バハマで麻薬密輸事件をめぐる政界への疑惑が波紋を広げている。米国の連邦捜査資料で、現職の有力政治家が大規模なコカイン取引計画に関与していた可能性が浮上し、野党は政府に対して独立調査を求めている。事件は近年バハマで深刻化している麻薬組織と政治・治安機関の癒着疑惑を改めて浮き彫りにした。
問題となっているのは、米フロリダ州沖で発生した小型機墜落事故で生還した男に関する捜査だ。麻薬取締局(DEA)によると、この男は過去に薬物犯罪と資金洗浄(マネーロンダリング)で有罪判決を受け、バハマに送還されていた人物で、コカインを米国へ密輸する組織に関与している疑いが持たれている。捜査官は裁判資料の中で、男が約3万ドルの現金を所持し、そのバッグにはバハマの政府高官の名前が記されていたと説明した。
さらに資料では、この政治家が2024年10月、首都ナッソーの議会内でこの男と接触し、約1トンのコカイン輸送計画について協議していたとされる。政治家側は、麻薬輸送の「警備」を提供できる存在として紹介されていたという。米当局は複数の麻薬組織がバハマ国内の「地元当局者の保護」の下で活動していたとも指摘している。
これを受け、最大野党・自由国民運動(FNM)のピンタード(Michael Clifton Pintard)党首は19日、「政府関係者と犯罪組織との関係について以前から警告してきた」と述べ、政府の説明責任を追及した。別の野党幹部も独立した調査委員会の設置を要求し、「国民には真実を知る権利がある」と強調した。
一方、政府はこの疑惑を重く受け止めていると表明した。首相府の報道官はAP通信の取材に対し、「法執行機関が独自調査を開始し、米当局とも情報共有を進める」と説明した。ただし、現時点で事件に関与した公職者について正式な情報提供は受けていないとしている。政府は「不正行為が確認されれば、誰であっても責任を問う」と強調した。
バハマでは2024年にも、警察幹部らが米司法当局から大規模コカイン密輸への関与を指摘され、警察トップが辞任する事態となっていた。観光立国として知られる同国だが、地理的に中南米と米国の中間に位置することから、長年にわたり麻薬密輸ルートの拠点とみなされてきた。今回の疑惑は治安機関だけでなく政界中枢にまで犯罪組織の影響が及んでいる可能性を示しており、国民の不信感をさらに高めている。
