◎クリスティアナ・チャモロ氏の逮捕と投獄は、独裁者のダニエル・オルテガ大統領の政敵に対する弾圧のひとつである。
2021年5月21日/ニカラグア、首都マナグア、クリスティアナ・チャモロ氏(Getty Images/AFP通信)

ニカラグアの裁判所は21日、昨年の大統領選に立候補する予定だったビオレタ・チャモロ元大統領の娘であるクリスティアナ・チャモロ氏懲役8年の実刑判決を言い渡した。

チャモロ氏と兄のホアキン氏は今月初めにマネーロンダリングなどの罪で有罪判決を受けていた。

チャモロ氏の逮捕と投獄は、独裁者のダニエル・オルテガ大統領の政敵に対する弾圧のひとつである。

チャモロ氏は昨年6月から自宅軟禁下に置かれている。一方、ホアキン氏は禁固9年を言い渡された。

AP通信によると、二人の裁判は悪名高いチポリ刑務所内で行われ、弁護士は立ち合いを許可されなかった。

チャモロ氏を含むオルテガ大統領の弾圧に直面した野党指導者や活動家はひとり残らず無罪を主張している。

NGOニカラグア人権センターのヌニョス氏は22日、「ビオレタ・バリオス・デ・チャモロ財団の2人には懲役13年、運転手も懲役7年を言い渡された」と声明を発表した。チャモロ氏は同財団に資金を提供していた。

オルテガ大統領は昨年11月の総選挙に先立ち、チャモロ氏を含む主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、その他の野党関係者20人も合わせて逮捕した。

それ以来、チャモロ氏は自宅軟禁下に置かれていたが、先月、チポテ刑務所に連行され、秘密裁判にかけられていた。

オルテガ大統領は国内で活動する反対派のNGOを取り締まり、海外からの資金援助を断ち、事務所を破壊し、関係者を逮捕した。オルテガ大統領は反対派のNGOや団体が自分の罷免を望むヤンキー帝国(米国)と手を結んでいると主張している。

チャモロ財団は2021年1月に活動を停止した。同財団はジャーナリストの訓練や出版社に資金を提供し、表現の自由を擁護していた。

チャモロ氏はニカラグア最大の新聞社「ラ・プレンサ」の編集長を務め、同氏の父も1978年に殺害されるまで同紙の編集長を務めていた。

ニカラグアの秘密裁判所は与党サンディニスタ民族解放戦線の元高官や大統領候補などを何人も刑務所に送っている。

多くの批評家がチポテ刑務所の悪名高い環境と元高官らの年齢を考えると、懲役刑は死刑宣告に等しいと非難している。

サンディニスタ民族解放戦線のゲリラ指導者で、オルテガ大統領を刑務所から救い出したひとりであるウゴ・トーレス氏は裁判にかけられる前に病死した。

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