◎先住民族ミスキートとマヤグナの人々が暮らす集落が攻撃を受けた。
2018年7月13日/ニカラグア、警察官と写真を撮るオルテガ大統領(中央)(Cristobal Venegas/AP通信)

ニカラグア当局は28日、カリブ海の沿岸地域にある先住民族が多く暮らす地域に攻撃を仕掛けた24人を逮捕したと発表した。

地元の人権団体によると、先住民族ミスキートとマヤグナの人々が暮らす集落が攻撃を受けたという。

地元警察は声明で、「男22人と女2人を27日に逮捕した」と明らかにした。また警察は集落の住民の証言を引用し、「襲撃者たちはナタや棒で武装していたようだ」と述べた。

しかし、地元の人権団体は「襲撃者を抑えたのは地元住民であり、警察は現場に現れなかった」と主張している。

先住民族を支援する団体の弁護士はAP通信の取材に対し、「警察は取り締まっておらず、地元住民が襲撃者を警察署に連行した」と語った。

地元警察によると、逮捕された24人は首都マナグア近郊に刑務所に収容され、組織犯罪などで起訴される予定だという。警察は24人の身元を明らかにしていない。

しかし、地元の人権団体は先住民族への攻撃を放置してきたオルテガ政権が襲撃者を起訴するとは思っていないようだ。

ある環境活動家はSNSにこう投稿している。「オルテガ政権が先住民族の領土を侵略した者たちの逮捕を発表したのは今回が初めてだ」

ミスキート族とマヤグナ族は近年、土地開発を推進する違法伐採業者などの攻撃にさらされている。人権団体によると、この数年で少なくとも28人の先住民族指導者と住民が殺害されたという。

昨年と一昨年には自然保護区で生活するミスキート族とマヤグナ族が何度も攻撃を受け、死者も報告されている。環境活動家は独裁者のオルテガ(Daniel Ortega)大統領が保護区の違法伐採や開発を容認していると非難している。

オルテガ氏は先住民族への攻撃を容認しているという告発を否定している。

人権団体によると、カリブ海沿岸地域の先住民族が暮らす土地に移り住んでいる市民の多くが違法伐採業者とつながりのある元兵士だという。

先住民族は2015年以降、土地の約60%を失い、約3000人が土地を追われたと推定されている。

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