ニカラグア政府が弁護士の資格剥奪、広範な弾圧の一環
独裁者オルテガ大統領と妻のムリジョ共同大統領による反体制派への締め付けは2018年の反政府デモ以降強まっており、今回の措置はその対象が司法関係者にも及んだことを示している。
と妻のムリジョ副大統領(Randall-Campos/ロイター通信).jpg)
中米ニカラグアでオルテガ政権が多数の弁護士から資格を剝奪していたことが明らかになった。国連は10日、この措置について「法曹界の粛清」に当たると批判し、民主主義を支える最後の抑制機能を弱体化させる動きだと警鐘を鳴らした。
独裁者オルテガ(Daniel Ortega)大統領と妻のムリジョ(Rosario Murillo)共同大統領による反体制派への締め付けは2018年の反政府デモ以降強まっており、今回の措置はその対象が司法関係者にも及んだことを示している。
資格を剝奪された弁護士らによると、最高裁判所が管理する弁護士登録簿から、自身の氏名や登録番号が何の説明もなく削除されていたという。政府から事前の通知や理由の説明はなく、報道機関からの問い合わせも無視している。
国連専門家会合の委員を務める米国の人権派弁護士リード・ブロディ(Reed Brody)氏は影響を受けた弁護士について、「数百人、あるいは数千人規模に及ぶ可能性がある」と指摘し、実態の全容は把握できていないとしている。
今回の措置は反体制活動に関わった弁護士だけを対象としたものではないとみられる。隣国コスタリカへ亡命中の人権派弁護士バルベレナ(Juan Diego Barberena)氏は、自身を含む少なくとも25人の弁護士が資格を失ったことを確認したと説明した。
対象者には政治活動とは無関係の刑事事件や家族法を専門とする弁護士のほか、海外在住者や政府寄りとみられていた法律家も含まれており、一律的な排除が進められている実態が浮かび上がっている。バルベレナ氏は「誰が弁護士として活動できるかを政府が恣意的に決める全体主義的な統制だ」と非難した。
ニカラグアでは2018年の反政府デモを治安部隊が武力で鎮圧して以降、政府による反対勢力への弾圧が続いている。活動家や宗教指導者、ジャーナリストらが相次いで拘束され、多くの市民が国外への避難を余儀なくされた。さらに数百人から国籍や財産が剝奪され、宗教団体や大学、独立系メディア、市民団体など5000を超える組織が活動停止に追い込まれている。今回の法曹界への措置は、こうした一連の締め付けの延長線上に位置付けられる。
専門家は司法制度が政府の強い統制下に置かれる中、弁護士資格の大量剝奪によって独立した法的支援を提供できる人材がさらに減少し、市民が適切な法的救済を受ける機会が失われる恐れがあると指摘する。また、将来的に政治体制が変化した場合でも、法制度の再建を担う法律家や研究者を事前に排除する狙いもあるとの見方が出ている。ニカラグア政府による法曹界への統制強化は、国内の法の支配や民主主義の一層の後退につながるとして、国際社会の懸念が高まっている。
と妻のムリジョ副大統領(Getty-Images/AFP通信).jpg)
