◎ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領はローマカトリック司教を「テロリスト」と呼び、左派国家は司教を逮捕するだろうと述べた。
2018年9月5日/ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領と妻のロサリオ・ムリーリョ副大統領(Alfredo Zuniga/AP通信)

10月4日、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領はローマカトリック司教を「テロリスト」と呼び、左派国家は司教を逮捕するだろうと述べた。

アメリカ大陸でもっとも貧しい国家を率いるオルテガ大統領は、2018年4月に勃発した広範な抗議を外国勢力のクーデターと呼び、保守的な政府の形成を支援する司教はテロリストであり、ひとり残らず逮捕しなければならないと主張した。

オルテガ大統領は抗議活動を沈静化させるために野党との協議に参加したが、その後態度をあらため、抗議に関与した市民と野党関係者を残酷に殴打した。

オルテガ大統領はニカラグアの司教評議会が2018年に提出した民主化促進計画を嘲笑した。「この国の司教たちはヤンキースに仕え、テロリストであると宣言しました。彼らは全世界の裁判所で裁判にかけられるでしょう...」

オルテガ大統領は今年11月の大統領選で4期連続当選を決めるために、少なくとも7人の野党候補者を漠然として容疑で反逆者に仕立て上げ、逮捕・投獄した。地元メディアによると、8月末の時点で30人近くの野党指導者が何かしらの容疑で投獄されたという。

オルテガ政権は反抗的な市民団体、野党指導者、メディアを反逆罪やマネーロンダリングで非難し、批判的な記事を書くジャーナリストを鉄拳で打ち負かした。

米州人権委員会によると、2018年の抗議における国軍と民間人の衝突では少なくとも325人が死亡し、52,000人以上が国外に逃亡したという。

オルテガ大統領は1985年から1990年まで政権を握り、2006年の大統領選挙で政界に復帰した。再選後は反米政策を推進し、主にロシアと中国の支援を受けているが、経済政策は上手く機能せず、アメリカ大陸で最も貧しい国家のひとつから抜け出せずにいる。

妻のロサリオ・ムリーリョ夫人は2018年から副大統領を務めている。夫妻およびその子供たちはあらゆる国営企業に強い影響力を持ち、地元の反政府メディアは、「大統領一家はニカラグアのあらゆる事業に関与し、ガソリンの配給やテレビ局の番組編成などまで行っている」と批判的に報じた。

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