◎メキシコ政府は同国北西部ソノラ州にメガソーラー発電所と送電設備を建設したいと考えている。
ワシントンD.C.ホワイトハウス、バイデン大統領(右)とメキシコのオブラドール大統領(AP通信)

メキシコのエブラルド(Marcelo Ebrard)外相は20日、バイデン(Joe Biden)米大統領に対し、メキシコの太陽光発電プロジェクトに480億ドルを融資するよう要請すると明らかにした。

エブラルド氏によると、オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は首都メキシコシティで来年1月9日~10日に予定されている米加メキシコ首脳会議でこの要請を行う予定だという。

メキシコ政府は同国北西部ソノラ州にメガソーラー発電所と送電設備を建設したいと考えている。

地元メディアによると、オブラドール氏は北米開発銀行(North American Development Bank、NADBank)の融資を希望しているという。

同行はグリーン開発プロジェクトに資金を提供しているが、メキシコ政府が計画しているような規模の開発に融資したことはない。

地元メディアは政府筋の話を引用し「プロジェクト資金の一部は国債で賄われる」と報じているが、詳細は不明だ。

このメガソーラー発電所には公園なども併設され、国営電力会社が運用する予定。

しかし、米政府はオブラドール氏が民間より国営企業を優遇していると批判している。これは米加メキシコ自由貿易協定違反するものだが、オブラドール氏は国営優遇という批判を退けている。

オブラドール氏は20日、中国の民間企業がソノラ州のリチウム鉱床の採掘権を取得するかもしれないという噂を打ち消した。

オブラドール氏は今年初め、「リチウムはメキシコ政府のみが採掘できる戦略的に重要な鉱物である」と宣言したものの、この時、中国の企業はすでに認可を得ていたとされる。

オブラドール氏は当時、「既存の認可を尊重する」と約束したが、20日の会見で「あり得ない話だ」と約束を反故にした。

「残念ですが、メキシコのリチウムはメキシコのものであり、それを採掘できるのはメキシコの国営企業だけです。民間の採掘などあり得ず、当局が許可したという噂は憶測に過ぎません」

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