◎亡命希望者は中米、ベネズエラ、コロンビアの市民などで構成され、数は4000~5000人と推定されている
2022年6月6日/メキシコ、南部タパチュラ、米国への移住を希望する亡命希望者たち(QuetzalliNicte-Ha/ロイター通信)

メキシコの現地メディアは6日、南部タパチュラで野営していた数千人の亡命希望者が米国に向け出発したと報じた。

中南米の移民問題は今週開催される州首脳会議の主要議題のひとつになる予定である。タパチュラは米国を目指す移民や亡命希望者が集まる要所として知られている。

AP通信によると、この移民キャラバンは近年最大規模の集団亡命になる可能性があるという。

亡命希望者は中米、ベネズエラ、コロンビアの市民などで構成され、数は4000~5000人と推定されている。AP通信は5000人、ロイター通信は6000人を超えている可能性があると報じた。

キャラバンのリーダーを名乗る男性はAP通信の取材に対し、「彼らは貧困と暴力の犠牲者だ」と語った。「彼らは犠牲者なのです。私たちはロサンゼルスに集まる指導者たちに、今起こっていること、今何をすべきかを訴えたいと思っています...」

米州サミットはロサンゼルスで行われる。米国はキューバ、ベネズエラ、ニカラグアを会議から排除した。

米国を目指す人々はメキシコ南部に亡命希望者を閉じ込めるメキシコ政府の政策を非難している。人々は国境を越えるために多額の借金しているが、メキシコ南部の片田舎で仕事を得ることは難しく、困窮している。

ベネズエラから一家総出で亡命を希望するという男性はロイター通信に、「マドゥロ(Nicolas Maduro)のせいでベネズエラは腐ってしまった」と語った。「ビザを取得するために2カ月ほど待ちましたが、何も動きがないため、米国の国境を目指した方がよいと考えました」

ニカラグアの女性は「メキシコ政府は8月10日に準備が整うと説明しましたが、私たちに待つお金はありません」と語った。「移民局は私たちは蹴り、バカなことは考えるな、と何度も脅しました。彼らに捕まったら終わりです」

一方、メキシコのオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は6日、米州サミットをボイコットすると発表し、この会議で移民問題について協議したいバイデン(Joe Biden)大統領に打撃を与えた。

バイデン氏は前任者の抑圧的な国境規制を見直すと約束したが、共和党と最高裁判所の高い壁を越えられずにいる。

バイデン政権は先月、「タイトル42」と呼ばれる厳しい国境規制の終結を望んだが、最高裁判事は5月20日の判決で規制の継続を支持した。

この規制は亡命希望者に保護申請の提出機会を与えることなく追い返すことを可能にする。

しかし、中南米の亡命希望者はバイデン政権が移住を許可してくれると信じ、国境を目指すのである。

人々は大勢で保護を求めれば訴えが認められると期待し、1000人以上のグループで行動することが多い。しかし、メキシコとグアテマラの国境当局はグループを容赦なく取り締まり、追い払うことも珍しくない。

ニューヨークへの移住を夢見るコロンビア人女性はAP通信に、「米州サミットの注意を引きたい」と語った。「この行進で虐待や暴力に悩んでいる女性や子供がたくさんいるとバイデン大統領たちに伝えたいです。私たちは救えるのは彼らだけです」

2022年6月6日/メキシコ、南部タパチュラ、中米の移民キャラバン(QuetzalliNicte-Ha/ロイター通信)
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