◎米国と国境を接する町は麻薬カルテルが最重要視するエリアのひとつである。
メキシコ、北部チワワ州の刑務所(Getty Images/AFP通信)

メキシコの警察当局は11日、北部チワワ州の刑務所でギャング間抗争が発生し、受刑者3人が死亡したと発表した。

現場は米テキサス州国境近くの「ギャングシティ」と呼ばれるシウダー・フアレスの刑務所。

シウダー・フアレスはメキシコで最も治安が悪い都市と呼ばれ、シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)の支援を受けるギャングを含む複数の武装集団が支配権を争っている。

チワワ州の検察当局によると、警察は暴動を鎮圧できず、軍および州兵に出動を要請したという。

同局はこの争いを「対立するギャングによるもの」と説明したが、組織名には言及しなかった。

チワワ州の刑務所には自動小銃や爆弾が普通に持ち込まれ、ひどい時には麻薬の売買も行われていたと伝えられている。

米国と国境を接する町は麻薬カルテルが最重要視するエリアのひとつである。

米国への麻薬密輸は数億ドルの利益を生むため、シナロアカルテルや№2の「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」とつながりのあるギャングが支配権をめぐり、血みどろの戦いを繰り広げている。

メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、2000年代中頃に本格化した麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。

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