SHARE:

メキシコ・シナロア州知事が職務復帰、米司法省が麻薬犯罪で起訴

米司法省は4月末、ロチャモヤ氏を含むシナロア州の現職・元政府高官10人を麻薬密輸や武器関連の罪で起訴した。
2024年9月19日/メキシコ、シナロア州クリアカン、ルベン・ロチャモヤ州知事(AP通信)

メキシコ西部シナロア州のルベン・ロチャモヤ(Rubén Rocha Moya)知事が21日、3カ月以上に及ぶ休職を終えて職務に復帰した。ロチャモヤ氏は4月、米司法省から麻薬組織シナロア・カルテルの一派「ロス・チャピトス」と共謀し、麻薬密輸を支援したなどとして起訴された。現職のメキシコ州知事が米国で麻薬関連の罪に問われる異例の事態となっており、今回の復帰は米国とメキシコの緊張をさらに高める可能性がある。

ロチャモヤ氏は5月、米国の申し立てに対応し、捜査を妨げないためとして一時的に職務を離れていた。8月21日にSNSで職務への復帰を発表し、「真実の力を信じ、良心に一点の曇りもない」と主張した。同氏は米国の告発を一貫して否定し、今回の起訴についてもメキシコの主権やシェインバウム政権への政治的攻撃だと主張している。

米司法省は4月末、ロチャモヤ氏を含むシナロア州の現職・元政府高官10人を麻薬密輸や武器関連の罪で起訴した。起訴状では、ロチャモヤ氏らがシナロア・カルテルと協力し、米国への麻薬密輸を支援したほか、政治的支援や賄賂と引き換えに犯罪組織に便宜を図ったと主張している。特にロチャモヤ氏については、2021年の州知事選でロス・チャピトスから政治的支援を受けたとしている。

これに対しロチャモヤ氏は疑惑を否定。メキシコ政府も米国側に具体的な証拠の提示を求めており、メキシコの検察当局による調査では現時点で米国の主張を裏付ける証拠は確認されていないとしている。シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は確かな証拠が必要だとの立場を示していた。

ロチャモヤ氏は77歳、与党・国家再生運動(MORENA)の有力政治家で、同党を創設したオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)前大統領に近い。シナロア州では麻薬カルテルを巡る抗争が続き、治安悪化が深刻化している。こうした中で州知事が米国の起訴を受けながら復帰したことで、メキシコ国内では説明責任を問う声が強まる可能性がある。

一方、米国はメキシコの政治家とカルテルの癒着への取り締まりを強化しており、ロチャモヤ氏の復帰は両国の麻薬対策を巡る対立を一段と鮮明にする動きとなった。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ