メキシコ2026年5月前半インフレ率鈍化見通し=ロイター調査
ロイターが18日に公表したエコノミスト調査によると、5月前半のCPIは前年同期比4.32%増と予測されている。
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メキシコの2026年5月前半の消費者物価指数(CPI)が鈍化した可能性が高いことが、ロイター通信による市場調査で明らかになった。市場関係者の間では、インフレ率は低下する一方で、食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は小幅に上昇すると予想されており、物価動向の複雑さが意識されている。インフレ圧力は多少和らぎつつあるものの、基調的な物価上昇は依然として根強く、中央銀行の金融政策判断にも影響を与えそうだ。
ロイターが18日に公表したエコノミスト調査によると、5月前半のCPIは前年同期比4.32%増と予測されている。4月後半の4.38%から鈍化し、中銀が掲げる3%±1ポイントの目標レンジ上限に近づく見込みだ。背景には、生鮮食品価格の安定や一部エネルギー価格の落ち着きがあるとみられている。
一方、価格変動の大きい項目を除くコアインフレ率は4.21%と予想され、前回の4.19%からわずかに上昇する見通しだ。特にサービス分野の価格上昇が続き、外食、住居、教育関連コストの高止まりが影響していると分析されている。市場では「表面的なインフレ鈍化に比べ、基調的な物価圧力はなお強い」との見方が広がっている。
中銀は近年、急激なインフレ抑制のため高金利政策を続けてきた。2024年以降は段階的な利下げに転じたが、最近は慎重姿勢を強めている。米国の高金利継続観測に加え、中東情勢の不安定化による原油価格上昇リスクが警戒されているためだ。メキシコ・ペソは比較的安定しているものの、輸入物価への波及を通じて再度インフレ圧力が高まる可能性もある。
また、メキシコ経済には減速の兆候もみられる。米国向け輸出の伸び悩みや国内消費の鈍化が景気の重荷となっている。格付け会社S&Pグローバルは今月、財政赤字拡大や成長率低下への懸念を理由に、メキシコの信用見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。国営石油会社ペメックスへの継続的な財政支援も財政悪化要因となっている。
市場の焦点は5月22日に発表される国家統計局INEGIのインフレ統計に移っている。インフレ率の低下が確認されれば、中銀は当面の金利据え置きを維持しやすくなるとみられる。一方で、コアインフレ率が予想以上に上昇した場合には、追加利下げ観測が後退し、市場の金利見通しにも影響を与える可能性がある。メキシコ経済は景気減速とインフレ抑制の狭間で難しい政策運営を迫られている。
