コスタリカ新大統領が宣誓、前大統領が2つの要職に留任
フェルナンデス氏は同国史上2人目の女性大統領となり、2030年までの4年間国を率いる。
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中米コスタリカで8日、大統領就任式が行われ、右派のラウラ・フェルナンデス(Laura Fernández Delgado、39歳)氏が宣誓した。
フェルナンデス氏は同国史上2人目の女性大統領となり、2030年までの4年間国を率いる。だが、今回の政権発足で最も注目を集めたのは、前任のチャベス(Rodrigo Chaves)前大統領が政権中枢に残留した点だった。チャベス氏は大統領府相と財務相を兼任する自称「スーパー閣僚」として政権入りし、引き続き強い影響力を行使することになった。
フェルナンデス氏は政治学者で、チャベス前政権では経済相や大統領府相を務めた。2026年2月の大統領選ではチャベス氏の路線継承を掲げて勝利、与党・国民主権党も議会(一院制、定数57)で過半数を確保した。フェルナンデス氏は就任演説で「治安と国家改革が最優先課題だ」と強調し、麻薬組織や組織犯罪への強硬姿勢を打ち出した。
近年のコスタリカでは南米から米国へ向かう麻薬ルートの中継地となったことで犯罪が急増している。かつて中米有数の安定国家として知られた同国だが、近年は殺人件数が過去最高水準に達し、治安悪化への国民不安が強まっていた。フェルナンデス氏は就任前から「犯罪との容赦なき戦争」を掲げ、エルサルバドル型の巨大刑務所建設や監視体制強化などを公約にしてきた。
一方で、新政権を巡っては民主主義への懸念も広がっている。チャベス氏は在任中、汚職疑惑や違法な政治介入疑惑で複数の捜査対象となっていた。ところが、閣僚として留任することで、新たに4年間の法的免責特権を得ることになり、野党や市民団体からは「司法逃れではないか」との批判が出ている。コスタリカで大統領経験者が退任後すぐに主要閣僚として政権に残るのは異例であり、権力集中を懸念する声も少なくない。
さらにフェルナンデス政権は対米関係を重視する姿勢を鮮明にしている。第2副大統領のダグラス・ソト(Douglas Soto)氏を駐米大使に起用し、トランプ政権とのパイプ強化を図る構えだ。就任式には米政権の特使であるノーム(Kristi Noem)氏も出席した。チャベス前政権は不法移民受け入れや中国企業排除などで米国との関係を深め、新政権もその路線を継承するとみられる。
フェルナンデス氏は「第三共和国の建設」を掲げ、司法制度改革や行政改革にも意欲を示している。しかし、治安対策を名目とした強権化への警戒感は根強く、国内では「民主的制度が揺らぐ可能性がある」との指摘も出ている。経済成長やインフレ抑制などで高い支持率を維持したチャベス氏の人気を背景に、新政権がどこまで権力基盤を拡大するのか、注目が集まっている。
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