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米クルーズ船でノロウイルス集団感染、115人が体調不良に

船は現在、大西洋北西部を航行中で、ドミニカ共和国へ向かった後、11日にフロリダ州ポートカナベラルへ到着する予定。
2020年3月12日/米フロリダ州フォートローダーデール、カリビアン・プリンセス号(Getty Images/AFP通信)

疾病対策センター(CDC)は8日、クルーズ船「カリビアン・プリンセス号」でノロウイルスの集団感染が発生し、乗客102人と乗員13人の計115人が体調不良を訴えたと発表した。感染者には下痢や嘔吐などの症状が確認されており、CDCは船内で感染拡大防止措置が取られているとしている。

問題となった船は米クルーズ会社「プリンセス・クルーズ」が運航する大型客船で、4月28日にフロリダ州ポートエバーグレーズを出港し、カリブ海を巡る14日間の航海を続けている。船内には乗客3116人、乗員1131人が乗船し、感染確認後は患者の隔離や消毒作業の強化が進められている。

CDCによると、今回の感染拡大は7日に報告された。船は現在、大西洋北西部を航行中で、ドミニカ共和国へ向かった後、11日にフロリダ州ポートカナベラルへ到着する予定だという。船内では感染者から便検体を採取し、詳しい検査を進めている。

運航会社は声明で、「一部の乗客と乗員に軽度の胃腸症状が確認された」と説明したうえで、「船内全域を迅速に消毒し、航海中も追加の衛生対策を講じた」と強調した。帰港後には包括的な洗浄と消毒を実施してから次の航海に向かうとしている。

ノロウイルスは感染力が極めて強く、少量のウイルスでも発症することで知られる。主な症状は吐き気、腹痛、下痢、嘔吐で、通常は1〜3日程度で回復するが、高齢者や免疫力が低下している人では重症化する場合もある。感染経路は汚染された食品や水だけでなく、患者との接触や汚染されたシーツなどを介した二次感染も多い。

クルーズ船は密閉空間で多くの人が共同生活を送るため、感染症が広がりやすい環境である。CDCは船舶衛生プログラムを通じて国際クルーズ船の感染症を監視しており、ノロウイルスは船内集団感染の代表例となっている。近年は新型コロナの流行を経て衛生管理が強化されたものの、依然としてノロウイルスの発生は後を絶たない。

今回の事例は2026年にプリンセス・クルーズ社で報告された2件目のノロウイルス集団感染となる。今年3月には同社の別の客船「スター・プリンセス号」でも感染が確認され、乗客141人と乗員52人が体調不良を訴えていた。専門家はクルーズ需要の回復に伴い、今後も船内感染対策の徹底が重要になると指摘している。

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