英チャールズ国王、バハマ訪問開始、奴隷貿易の賠償要求高まる中、王室の責任に注目

バハマは1973年に約300年に及ぶ英国統治を終えて独立したが、現在もチャールズ国王を国家元首とする英連邦王国の一つだ。
2026年10月21日/英ウェールズ、チャールズ国王(AP通信)

イギリスのチャールズ国王(King Charles III)は27日、カリブ海地域への公式訪問のため、最初の訪問先となるバハマに到着した。カミラ(Queen Camilla)王妃とともに9日間の日程でバハマ、ガイアナ、アンティグア・バーブーダを訪問する。

今回の歴訪は英国による大西洋奴隷貿易への責任を問い、謝罪や賠償を求める声がカリブ海諸国で強まる中で行われる。旧植民地との関係をどう再構築するかが焦点となる。

バハマは1973年に約300年に及ぶ英国統治を終えて独立したが、現在もチャールズ国王を国家元首とする英連邦王国の一つだ。国王が同国を公式訪問するのは、独立直前の1973年に皇太子として訪れて以来となる。現地の賠償要求運動の関係者は、英国王室が植民地支配と奴隷制の歴史に向き合い、現代に残る不平等の是正に具体的に取り組むべきだと訴えている。

15~19世紀には、欧州の商人によって少なくとも1250万人のアフリカ人が拉致され、奴隷として売買された。英国はそのうち約320万人を輸送したとされ、奴隷貿易の主要な担い手だった。奴隷制がもたらした経済的・社会的な損失は、現在のカリブ海地域にも影響を残しているとして、各国の活動家や政治指導者は謝罪や賠償を要求してきた。

カリブ共同体(CARICOM)は加盟国など23カ国・地域を代表し、賠償問題を英連邦首脳会議の議題に取り上げるよう求めている。コモンウェルスのボッチウェイ(Shirley Ayorkor Botchwey)事務総長も、金銭的補償に限らず、歴史的な文化財の返還などを含めて議論する時期に来たと指摘する。ガイアナのアリ(Irfaan Ali)大統領も、奴隷制の悲惨さを認めるだけでなく、正式な謝罪へ進む必要があるとの立場を示している。

一方、バッキンガム宮殿は国王が英国の奴隷貿易への関与を避けずに言及するとしながらも、正式な謝罪は行わない方針を示している。英国政府も賠償には否定的だ。国王は訪問中、歴史や文化に関する行事に加え、環境保全や若者との交流にも臨む予定である。

11月にはアンティグア・バーブーダで英連邦首脳会議が開かれ、気候変動や貿易、開発などが議論される。奴隷制への賠償問題がどこまで正式な議論に発展するかは不透明だが、カリブ海諸国では共和制への移行を求める動きも続く。英国王室が過去の責任にどう向き合うかは、英連邦の将来を左右する課題となっている

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