◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2021年11月11日/ハイチ、首都ポルトープランス(Getty Images)

ハイチに拠点を追う大手繊維会社S&H Globalは2日、北部にある工場を閉鎖し、従業員3500人を解雇すると発表した。

S&H Globalは韓国の衣料品大手SAE-A Tradingの子会社である。

同社は声明で、「社会不安やストライキの影響で出荷遅れや注文取消しが多発している」と明らかにした。

また同社は、「多くの顧客が治安の良い、より信頼できるカリブ海・中米諸国の工場を選択したとみられる」と述べた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは半年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げており、国連はこの抗争で民間人数百人が死亡または行方不明となり、数十万人が国内避難民になったと推定している。

暴力の蔓延は貧困に拍車をかけ、多くの市民が飢えと感染症に苦しんでいる。

S&H Globalはハイチ北部にある米国が支援する工業団地に本店を置いている。この工業団地は2012年にオープンし、ハイチ最大の民間雇用主とされる。

S&H Globalは当時、この工業団地に7000万ドル以上を投資し、多くの雇用を創出すると発表していた。

AP通信によると、地元の商工会議所と経済団体は近く声明を出すとみられる。

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