◎この男性ジャーナリストは今月5日、首都ポルトープランスの自宅付近で何者かに射殺された。
ハイチ、首都ポルトープランス、インフレとギャングの暴力に抗議するデモ(Getty Images)

米州新聞協会(APA)は9日、ハイチの首都ポルトープランスで地元ラジオ局の男性ジャーナリストが殺害されたと発表した。

APAによると、今年ハイチ国内で殺害されたジャーナリストはこれで8人目。

男性は今月5日、ポルトープランスの自宅付近で何者かに射殺された。

ハイチのジャーナリスト協会は声明で、「いかなる理由があろうと、ジャーナリストに対する卑劣な攻撃を許すことはできない」と述べている。

AP通信は情報筋の話を引用し、「この男性はギャングに殺害された可能性が高い」と報じている。

ハイチではギャングの暴力だけでなく、治安部隊の厳しい取り締まりも問題になっている。

地元の独立系メディアで働いていた男性は先月30日、ポルトープランスの抗議デモを取材中、頭に催涙ガス弾が直撃し、死亡した。

9月には地元のラジオ局で働く男性が何者かに射殺された。報道によると、この男性と一緒に行動して男性は重傷を負ったものの、命に別条はないという。

ハイチの治安は昨年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは4カ月ほど前からG9&Familyなどの武装ギャングが地域の支配権をめぐって戦闘を繰り広げており、国連によると、7月中旬以降の死者と行方不明者は数百人に達し、10万人以上が避難民になった。

経済状況も悪化の一途をたどっている。米国から輸入される日用品の価格はこの数カ月で数倍に値上がりし、ガソリンの入手も困難になった。

G9&Familyは9月12日にポルトープランスの燃料ターミナルを占領したものの、政府は今週、これを奪還した。

ターミナルが2カ月近く占領されたことで多くのガソリンスタンドが閉鎖を余儀なくされ、医療機関はコレラの蔓延に対処できず、数千人の患者が治療を受けられずにいる。

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