◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ、首都ポルトープランスで行われた抗議デモ(Odelyn Joseph/AP通信)

ギャングの支配下に置かれる中米ハイチの首都ポルトープランスで飢饉のリスクが高まっている。

現地メディアによると、警察に対するギャングの攻撃は25日午前~26日未明まで続いたという。

ユニセフは26日、「数えきれないほどの子供が飢え、いつ死んでもおかしくない状況に置かれている」と声明を出した。

それによると、ハイチ国内で深刻な栄養失調に苦しんでいる子供は今年、19%も増加したという。

ユニセフは声明の中で、「推定164万人が飢餓の瀬戸際に立たされている」と警告した。

またユニセフはこの危機が人為的に作られてたものであると強調した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

先月末に本格化した戦闘により警察官を含む数十人が死亡、3万3000人以上がポルトープランスから逃れた。

戦闘により多くの道路が封鎖され、援助団体の物資輸送を妨げている。

ユニセフによると、ハイチでは現在、5つの病院のうち2つしか稼働していない。さらに、ポルトープランスで支援を必要とする子供少なくとも5万8000人に物資を届けることができていないという。

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