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ハイチの武装ギャング、首都から地方へ活動拡大、誘拐や家畜窃盗で農村部を脅かす

ハイチではギャングによる支配が長期化し、2026年には国民の4人に1人がギャングの支配地域で暮らしているとする国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報告も出ている。
2026年9月2日/ハイチ、首都ポルトープランス近郊、ギャングの攻撃を受けたケンスコフ地区、周囲を警戒する自警団(ロイター通信)

カリブ海の島国ハイチで、武装ギャングが首都ポルトープランスから農村部へ活動範囲を広げている。7日に公表された報告書によると、ギャングは地方で誘拐や家畜の窃盗、道路封鎖などを繰り返しており、首都に集中してきた治安対策の隙を突く形で勢力を拡大している。

報告書は、国際組織犯罪を監視する「Global Initiative Against Transnational Organized Crime(国際組織犯罪対策グローバル・イニシアティブ、略称: GI-TOC)」のハイチ担当者がまとめたものだ。これによると、ギャングによる地方での活動は首都の暴力の波及だけでなく、活動地域と戦術そのものが変化していることを示している。都市部で大規模な支配を維持する一方、地方では小規模な襲撃を繰り返す「ヒット・アンド・ラン型」の手法を取り入れているという。

特に農村部では、家畜の窃盗や道路の封鎖が住民の生活と物流を直接圧迫している。道路を掌握されれば、食料や物資の輸送が滞り、地域経済にも大きな影響が及ぶ。誘拐も重要な収入源となっており、治安機関の目が届きにくい地域で住民が標的となる危険が高まっている。

一方、中央政府や国連の治安対策は依然としてポルトープランスに重点が置かれている。報告書は、首都でのギャング掃討作戦が強化される一方、地方では警察や治安部隊の能力が十分でなく、武装勢力が進出する余地が生じていると指摘する。

ハイチではギャングによる支配が長期化し、2026年には国民の4人に1人がギャングの支配地域で暮らしているとする国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報告も出ている。暴力による住民の避難も続いており、治安悪化は首都だけの問題ではなく、国全体の統治や食料供給を揺るがす段階に入っている。

今回の報告は、首都の奪還だけではハイチのギャング危機を解決できないことを示している。ギャングが地方の交通網や農業地域へ浸透すれば、経済活動や住民生活への影響はさらに広がる可能性がある。

政府と国際社会には首都への対応と並行して地方の警察力を強化し、ギャングが活動基盤を築くことを防ぐ包括的な対策が求められている。

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