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医薬品不足深刻なキューバ、無料の地域薬局が住民の命綱に、米国の制裁と経済危機が供給を圧迫

首都ハバナでは、ローラ・メンドーサ(Laura Mendoza)さんが運営する薬局が、薬を入手できない患者の支援に当たっている。
2026年10月8日/キューバ、首都ハバナ、人道支援団体から無料で配布される医薬品をチェックする担当者(AP通信)

カリブ海の島国キューバで医薬品不足が深刻化し、市民がボランティアによる無料の地域薬局に頼る状況が広がっている。首都ハバナでは、ローラ・メンドーサ(Laura Mendoza)さんが運営する薬局が、薬を入手できない患者の支援に当たっている。米国のエネルギー・金融面での制裁や経済危機が供給難に拍車をかける中、市民同士の助け合いが地域医療を支えている。

メンドーサさんは毎週木曜日と日曜日、集合住宅の前で住民の名前を確認し、事前にWhatsAppで依頼された薬を無料で配布する。抗ヒスタミン薬、利尿薬、目薬、抗生物質などを扱い、カトリック系慈善団体カリタスと協力している。米国やカナダの人道支援団体、旅行者、地元住民から寄せられる薬は週13キログラムを超えるという。メンドーサさんはハバナ市内に同様の活動が約100件あると推計する。

国営薬局の供給不足は極めて深刻だ。共産党が基本医薬品として指定する603品目のうち、現在入手できるのは3分の1強にとどまる。国営製薬会社バイオクーバファルマ(BioCubaFarma)も、輸入原材料の不足により生産計画を達成できず、薬の製造に必要な包装材や輸送用燃料の確保も難しくなっている。米国の金融制裁に加え、船会社が制裁を恐れてキューバへの寄港を避け、医療物資が第三国に滞留する問題も起きている。

こうした事態を受け、キューバ政府は7月、民間薬局の営業を認める規則を導入した。国営中心だった医薬品供給体制を見直す歴史的な変更で、政府は現在、民間薬局の開設に関する約36件の提案を審査している。ただし、医薬品の輸入は国営企業を通じて行い、販売品目や保管方法も規制する方針だ。

民間薬局が開設されても、住民が薬を購入できるとは限らない。69歳のサラ・マルケス(Sara Marquez)さんはAP通信の取材に対し、高血圧の薬について、かつて国営薬局では0.30キューバ・ペソだった包装単位が、非公式市場では最大1000ペソに達したと語った。これは月額年金の30%を超える負担となる。無料の支援活動は当面、医薬品不足を補う重要な存在だが、供給量の確保と価格の抑制という課題は残されたままだ。

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