トランプ氏のロシア産軽油取引、共和党有力議員が違法性を指摘、対ロ制裁巡り党内対立
米国では軽油価格が過去最高水準に近づき、農業や暖房、物流への影響が懸念されている。
.jpg)
米共和党のトム・ティリス(Thom Tillis)上院議員は11日、トランプ(Donald Trump)大統領が発表したロシア産軽油の供給取引について、違法の可能性があり、米国民の生命を危険にさらすと批判した。ロシアのウクライナ侵攻を受けた制裁措置の一時緩和を巡り、トランプ政権への批判が与野党双方から強まっている。
トランプ氏は9日、プーチン(Vladimir Putin)露大統領との協議で合意したとして、ロシアが世界市場に軽油を供給すると発表。ロシア産燃料に対する制裁を一時的に緩和し、輸入などを認める措置を講じた。制裁は、ウクライナ侵攻を続けるロシアの収入を減らし、戦争遂行能力を弱めることを目的としていた。
ノースカロライナ州選出のティリス氏は、トランプ氏が法律を順守していないと判断する十分な根拠があると指摘。今回の取引が連邦議会の意思に反していると懸念を示した。トランプ氏が9月に署名した対ロシア・イラン制裁法との整合性も争点となっている。
一方、ベッセント(Scott Bessent)財務長官は11日、政権は既存の法的権限に基づいて取引を進めると説明した。またベッセント氏は、取引を禁止する法律があるとの議会側の主張を否定し、米国民の負担軽減につながると強調した。
共和党内では、ネブラスカ州選出のドン・ベーコン(Don Bacon)下院議員も、ロシアへの資金供給はプーチン氏の戦争経済を支える行為だと批判した。第1次トランプ政権で副大統領を務めたペンス(Mike Pence)氏も、制裁緩和は対ロ強硬姿勢を掲げた故グラム(Lindsey Graham)上院議員の遺志に反するとして、撤回を求めた。
これに対し、上院共和党ナンバー2であるジョン・バラッソ(John Anthony Barrasso III)氏は、消費者や農家、運送業者の負担を軽減するため、大統領は難しい判断を迫られていると擁護した。
米国では軽油価格が過去最高水準に近づき、農業や暖房、物流への影響が懸念されている。11月3日の中間選挙を前に、燃料価格の高騰は共和党にとって政治的な重荷となっている。ただ、専門家は今回の取引によって燃料価格が下落する可能性は低いとみており、経済効果と対ロ制裁の実効性を巡る議論は続きそうだ。
