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パキスタン大統領、カーン元首相の政党が率いる州政府を停止、首都への抗議行進を前に非常事態宣言

カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、イスラム過激派によるテロ攻撃が急増している地域だ。
2026年10月11日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワル、カーン元首相の支持者による抗議デモに備える治安部隊(AP通信)

パキスタンのザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領は11日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州を対象に非常事態を宣言し、収監中のカーン(Imran Khan)元首相が率いる政党「パキスタン正義運動(PTI)」の州政府を停止した。カーン氏の釈放を求める支持者らが首都イスラマバードへの抗議行進を計画する中、連邦政府と野党の対立が一段と深まっている。

大統領府によると、今回の措置はシャリフ(Shehbaz Sharif)首相率いる連邦政府が勧告したものだ。連邦政府は、カイバル・パクトゥンクワ州政府がテロ対策に十分取り組まず、武装勢力への対応を意図的に怠っていると主張している。非常事態宣言により、州は連邦政府の管轄下に置かれ、州議会の権限も停止される。州首相や閣僚らは職を失うことになる。

カイバル・パクトゥンクワ州はアフガニスタンと国境を接し、イスラム過激派によるテロ攻撃が急増している地域だ。パキスタン政府はイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)によるテロの拡大を受け、治安対策の強化を進めてきた。一方、パキスタン正義運動(PTI)は、州政府が治安対策への支出を増やしてきたと反論し、連邦政府が州の権限と財政を十分に尊重していないと主張している。

PTIの報道官は11日、州政府・議会の停止を「クーデター」と非難した。2024年の総選挙について同党は不正があったと主張しており、今回の措置によって、同党が統治する唯一の州でも権力を奪われた形だ。PTI幹部は非常事態宣言を憲法上の権限を侵害する措置として、裁判で争う姿勢を示している。

親ロシア派のカーン氏は2023年に収監され、汚職など複数の罪に問われているが、本人と党は起訴を政治的動機に基づくものと否定している。PTIは釈放に加え、カーン氏の病院への移送や家族との面会を要求してきた。連邦政府は同氏の健康状態に問題はなく、定期的に家族と面会していると説明する。

抗議行進をめぐる交渉は合意に至らず、当局はPTI支持者を拘束し、イスラマバードなどで警備を強化した。治安悪化への対応を掲げる政府と、民主的な権利の侵害を訴える野党の対立が、パキスタンの政治的混乱を悪化させる可能性がある。

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